『40までにしたい10のこと』3巻では、十条雀と田中慶司が付き合い始めてから約半年が経過。
2巻までに十条の「40までにしたい10のこと」はすべて達成しましたが、今度は30歳になった慶司が「今年やりたい10のこと」を考え、2人で実現していくことになります。
これまでと大きく違うのは、鳩山や慶司の姉たちなど、新しい登場人物が一気に増えたこと。
特に十条の元仕事仲間・鳩山の登場によって十条は仕事漬けとなり、これまで当たり前のように確保できていた2人の時間が減っていきます。
そして3巻で印象的だったのが、これまで慶司からのアプローチを受けることが多かった十条自身の変化です。
本記事では、『40までにしたい10のこと』3巻のあらすじや見どころ、実際に読んだ感想をネタバレを含めて紹介します。
『40までにしたい10のこと』3巻の基本情報
| タイトル | 40までにしたい10のこと |
| 作者 | マミタ |
| ジャンル | BL、恋愛 |
| 主人公 | 十条雀(40歳) |
| 相手役 | 田中慶司(30歳) |
| 二人の関係 | 上司×部下・恋人 |
| 攻め | 田中慶司 |
| 受け | 十条雀 |
| 3巻の雰囲気 | 恋愛・仕事・嫉妬・関係の深まり |
3巻のあらすじ
十条と慶司が付き合い始めて半年。
十条の「40までにしたい10のこと」をすべて達成した2人は、今度は30歳になった慶司の「今年やりたい10のこと」を一緒に叶えていくことになります。
そんななか、十条のかつての仕事仲間・鳩山が登場。
かなりの仕事人間である鳩山と十条が再びタッグを組んだことで、十条の仕事は一気に忙しくなります。
当然、慶司と一緒に過ごせる時間も減少。
慶司は不満や寂しさを感じながらも、十条が遊んでいるわけではなく仕事をしていることは理解しているため、ただ待つしかありません。
これまで十条を積極的に求めてきた慶司と、それを受け入れてきた十条。
しかし会えない時間が増えたことで、2人の関係にも少しずつ変化が表れ始めます。
3巻の見どころ
個人的に思った3巻の見どころをまとめておきます。
今度は慶司の「やりたい10のこと」
2巻で十条の「40までにしたい10のこと」はすべて達成しました。
タイトルにもなっている目標を達成したことで、この先は普通の恋人同士の日常を描いていくのかと思いましたが、3巻では今度は慶司が「今年やりたい10のこと」を考えます。
その一つが「浴衣を買うこと」。
十条と慶司が一緒に慶司の姉たちが経営するアパレルショップを訪れるなど、今回も「やりたいこと」が2人の新しい経験につながっていきます。
十条の人生を動かした「10のこと」を、今度は慶司にバトンタッチする。
タイトルの意味を残しながら、恋人になった後の物語へ自然につなげているのが面白いところです。
慶司の姉たちに恋人として紹介される十条
3巻では慶司の姉・理央と真央が登場します。
2人はアパレルショップを経営しており、浴衣を買うために十条と慶司が店を訪れることになります。
印象的だったのは、慶司が十条を姉たちに紹介すること。
理央と真央は、慶司が男性と付き合っていることを事前に知らされており、十条に対しても偏見を見せることなく自然に接します。
これまで十条と慶司は、会社では関係を隠し、人前でも恋人らしい振る舞いを控えてきました。
そんな2人にとって、自分たちの関係を知ったうえで自然に受け入れてくれる第三者が登場したことには大きな意味があるように感じます。
しかも、その相手が慶司の家族というのも印象的でした。
恋敵じゃないのに恋敵?仕事人間・鳩山
個人的に3巻でもっとも面白かったのが、十条の元仕事仲間・鳩山です。
鳩山は十条の同期でしたが、数年前に別会社へヘッドハンティングされたかなりの仕事人間。
慶司が入社する前に会社を離れているため、慶司だけが鳩山のことを知りません。
再び十条と仕事をすることになった鳩山は、退勤後や休日であっても十条に連絡を入れます。
その結果、十条はプライベートでも仕事モードになり、慶司と過ごす時間がどんどん減っていきます。
ここで面白いのが、鳩山は慶司の恋敵ではないこと。
十条に恋愛感情があるわけでもなく、ただ仕事をしているだけです。
ところが慶司からすれば、大切な十条との時間を鳩山に奪われているような状態。
デート中にも鳩山から仕事の電話が入り、十条が仕事へ向かおうとした際、慶司は思わず引き止めてしまいます。
しかし、十条が仕事を大切にしていることも理解しており、最後には送り出す。
相手が本当の恋敵なら「十条を取られたくない」という分かりやすい三角関係になりますが、鳩山は仕事をしているだけなので、慶司も怒りをぶつけることができません。
恋愛感情が一切ないのに、結果として恋敵のような役割を果たしている。
この少し変わった構図が、3巻では特に印象に残りました。
待つ側だった十条が自分から慶司を求める
そして3巻最大の変化だと感じたのが、十条の行動です。
1巻では慶司から積極的にアプローチされ、それに戸惑っていた十条。
恋人になった2巻でも、どちらかといえば慶司のほうが積極的でした。
ところが3巻では仕事が忙しくなり、十条自身も慶司となかなか会えなくなります。
慶司も寂しさを感じていますが、仕事が理由である以上、待つしかありません。
そんな状況が続いた末、ついに十条のほうから慶司の家を訪れます。
仕事で遅くなれば、そのまま自宅へ帰って休みたくなるもの。
それでも十条は慶司に会いに行く。
「慶司に求められる十条」から、「自分から慶司を求める十条」へ。
付き合って約8か月。十条にとって慶司がどれだけ大切な存在になったのかが、非常に分かりやすく表れた場面でした。
3巻を読んだ感想
1~3巻まで読んだなかでは、個人的には3巻が一番好きです。
2巻は恋人になった2人の甘い日常を楽しむ内容で、それはそれで良かったのですが、このままずっと甘々な展開だけが続くと、いずれマンネリになるのではないかとも感じていました。
ところが3巻では、鳩山、理央、真央といった新しいキャラクターが登場。
2人だけだった世界に第三者を入れることで、物語に変化が生まれています。
なかでも鳩山の使い方は面白かったです。
新しい男性キャラクターが十条に接近したため、最初は恋のライバルになるのかと思いました。
しかし、実際には恋愛感情などまったくなく、ただの仕事人間。
それでも十条との時間を奪われた慶司は嫉妬してしまいます。
恋愛漫画では新キャラクターを直接的な恋敵にして三角関係を作ることもありますが、そうではなく、仕事を2人の障害として使ったところが新鮮でした。
また、3巻では十条を気に入っている女性社員の存在も示されます。
それでも最終的に十条自身が求めたのは慶司でした。
1巻では慶司に押されるように始まった恋愛でしたが、3巻まで読むと、十条自身がはっきりと慶司を選び、求めていることが分かります。
この変化が見られたことも、3巻が一番好きだと感じた理由です。
大人向け描写については、1・2巻より控えめ。
個人的な体感では恋愛・物語9:大人向け1くらいで、キスや抱擁などを含めても恋愛やストーリーの比重が圧倒的に大きい巻でした。
BL漫画を3巻まで読んでみて改めて感じるのは、本作は大人向け描写だけを楽しむ作品ではなく、しっかり恋愛漫画として物語を作っているということ。
3巻は特に、その印象が強くなった1冊でした。
こんな人におすすめ
『40までにしたい10のこと』3巻は、以下のような人におすすめです。
- 十条と慶司の恋人になった後の関係をもっと見たい人
- 甘いだけでなく、少し変化のある恋愛漫画を読みたい人
- 年上×年下、上司×部下の関係が好きな人
- 恋愛と仕事を両立する大人の恋愛を読みたい人
- 嫉妬や会えない時間を乗り越えて深まる関係が好きな人
特に3巻は、1・2巻で十条と慶司を好きになった人ほど楽しめると思います。
新キャラクターが登場しても2人の関係を無理やり壊すのではなく、むしろ第三者との関わりを通じて2人の絆が深まっていくのが特徴です。
1・2巻の甘い雰囲気は好きだけれど、そろそろ物語にも変化が欲しいと感じていた人にもおすすめです。
まとめ
『40までにしたい10のこと』3巻では、新たな登場人物が加わり、これまでとは少し違った十条と慶司の関係が描かれました。
特に印象的だったのは、仕事で会えない時間が増えたことで、これまで待つ側だった十条が自分から慶司を求めるようになったこと。
鳩山の登場による慶司の嫉妬など、甘いだけではない変化も加わり、個人的には1~3巻のなかで一番楽しめた巻でした。
今度は慶司の「やりたい10のこと」も始まり、2人の関係がこれからどう深まっていくのか。今後の展開も楽しみです。




