ヤンデレ男・眞人の狂気が一気に露わになる第2話。
しかしそれを上回る形で、紗雪の「愛」が彼を包み込んでしまう。
視点は妹・涼夏へ。冷静な彼女だけが知る“姉と幼馴染の異常な関係”が、ついに動き出す。
――これは、愛に狂った男が“愛される”ことで終わりを迎える、皮肉な純愛譚。
あらすじ(ネタバレ最小)
妹・涼夏の語りで始まる第2話。
彼女は幼い頃から眞人の異常さを察していた。姉からのプレゼントの包装紙を何十年も保管し、隠し撮りまでする“ヤバさ”を知っていたからだ。
そして物語は、前話の“事件”の瞬間に戻る。
――だが紗雪は、眞人の行動を拒絶せず、むしろそれを「愛」として受け入れる。
狂気の末に訪れたのは、まさかの両思い。
涼夏の心配は杞憂に終わり、「ヤンデレ殺し」というタイトルの意味が明らかになる。
第2話の見どころ
狂気と純愛が表裏一体で描かれる第2話。
妹・涼夏という第三者の目を通すことで、眞人と紗雪の関係が“どれほど異常で、どれほど幸福なのか”が浮き彫りになる。
ヤンデレの暴走が終わりを迎えるはずの瞬間――それがまさか、恋の始まりになるなんて。
妹・涼夏だけが気づいていた“異常”
冷静な観察者である涼夏の視点が物語のリアリティを支える。
姉を想うがゆえに、彼女の恋の盲目さが怖く見えてしまう――そんな姉妹の対比が秀逸。
狂気と理性のせめぎ合い
紗雪を抱きながらも、「終わったな」「自分でも分かっていた」とつぶやく眞人。
愛しすぎて壊れていく彼の心理が、痛々しいほど真に迫って描かれている。
“ヤンデレ殺し”の意味が判明
紗雪はヤンデレを“愛し方が不器用な人”として受け入れてしまう。
結果、眞人の執着は彼女の愛によって鎮められる――狂気が愛に敗北する、皮肉な構図が印象的。
名言・印象的なセリフ
「あ〜、終わったな。ほんとは分かってたんだ。こんな感情、異常だって。」
理性と狂気の狭間で、自分の歪さを受け入れる眞人のモノローグ。
この一言が、彼が“ヤンデレ”である前に“人間”であることを痛感させる。
読後の感想・考察
第2話は「ヤンデレの終着点」を示すような回。
眞人の暴走が一線を越える瞬間、紗雪が“理解不能な優しさ”でそれを包み込む。
普通なら壊れる関係が、なぜか成り立ってしまう――その異常さが、この作品の魅力でもある。
涼夏の存在は今後の物語のブレーキとなるのか、それとも観測者として見守るだけなのか。視点転換によって、作品の深みが一段増した印象。
まとめ
第2話では、狂気の恋が“受け入れられてしまう”という衝撃の展開が描かれた。
タイトル『ヤンデレ殺し!!』の意味が初めて腑に落ちる回でもある。
――ヤンデレを“殺した”のは、誰よりもまっすぐな愛だったのかもしれない。




