第17巻は、巨塔と獣人連合国の全面衝突を前にした“嵐の前の静けさ”とも言える巻。
新戦力オルカとカオスの加入、ライトとの模擬戦、そしてナズナとのコメディパートが絶妙なバランスで描かれる。
戦いに備えた緊張感の中にも、フォーナインたちの掛け合いや絆が光る、準備編らしい一冊だ。
17巻の収録話と内容紹介
第17巻(第124話〜第131話)は、巨塔と獣人連合国の戦いを目前に控えた準備編。
ライトから「獣人種を叩き潰せ」という勅命を受けたフォーナインの面々。
しかし、ナズナだけがその命を受けていないことに落ち込み、フォーナインの関係性が微妙に揺れる(124話)。
一方で、地上では獣人連合国が人種を兵士として使う非道な戦略を決定(125話)。
それに対抗すべく、ライトは新たな仲間オルカとカオスをカードから解放する(126話)。
カオスは反抗的な態度を見せ、「力を示せ」とライトに挑戦を持ちかける。
訓練場での一騎打ちは互いの実力を認め合う激戦となり、やがてカオスもライトに忠誠を誓う(127〜129話)。
その後はナズナとのコメディ展開で空気が和らぐが、いよいよ戦争の火蓋が切られる(130〜131話)。
巨塔側は奴隷として使われる人種たちを救出し、獣人連合国の戦略を無効化。
エリー、オルカ、カオスが前線に立ち、ついに巨塔VS獣人連合国の戦いが幕を開ける。
登場人物の動き・印象
カオスとの戦闘で自ら拳を交わす姿勢を見せ、単なる支配者ではない“信頼で繋がるリーダー像”が際立つ。力だけでなく、仲間と真正面から向き合う誠実さが描かれた。
初登場時は反抗的だったが、ライトとの拳のぶつかり合いを経て心を開く。男同士の熱い友情の芽生えが描かれる。レベル8888
冷静かつ理性的な人物として、カオスの暴れ馬的な性格をうまく補完するバランサー役。奈落の中でも特に戦略面で頼れる存在。レベル8888
124話と129話の登場が印象的。ライトの勅命から外され落ち込む姿や、カオスをフルボッコするお茶目な強さで物語に柔らかさを与える。シリアスな展開の中で“癒し枠”として機能。
戦略面での采配や訓練場の設置など、参謀としての有能さがさらに際立つ。巨塔の魔女の補佐役にオルカやカオスを配置したのもエリーの提案。
17巻の見どころ・印象に残った展開
第17巻は、巨塔側の戦いの準備と新たな絆が描かれた“静かな熱巻”。
ライトがカオスと拳でぶつかり合い、信頼を勝ち取る姿には王としての器を感じる。
ナズナとカオスのドタバタも健在で、重くなりすぎない絶妙なバランスが魅力の一冊だ。
ナズナだけが勅命を受けなかったフォーナインの一幕
ライトからの勅命に自分だけ呼ばれなかったナズナ。
アオユキの正直な一言にしょんぼりするナズナの姿は、本作らしい“可愛さと人間味”が感じられるシーンだ。
これは言葉で語るよりも実際に絵を見た方が、しょんぼり具合が鮮明に伝わると思う。
ライトVSカオス ― 拳で語る男の信頼戦
新たな仲間・カオスが「力を見せろ」と挑む。
魔法を封じ、拳で語り合う二人の戦いは、無限ガチャシリーズでも珍しい“肉弾戦の熱量”が味わえる。
ライトが勝利した瞬間、ただの主従関係ではなく、互いを認め合う“信頼の絆”が生まれる。
カオスVSナズナ ― フラグ即回収のコメディ戦
「奈落最強を名乗る彼女にお灸を据える」と豪語したカオス。
だが、プロメテウスを駆使するナズナの圧倒的な火力の前に、見事にボコボコにされる。
壮大なフラグを一瞬で回収するギャップが笑いを誘う、17巻屈指のコメディシーン。
奴隷となった人種たちを救い出すエリーの采配
獣人連合国が人種を盾にする非道な戦略を取る中、エリーは冷静に対処。
オルカの音楽と共に心を落ち着かせ、人質が無事であることを告げる。
敵の策略を一瞬で覆す“奈落の知略”が輝く展開で印象的。
まとめ
第17巻は、巨塔側の戦いの前の“準備と信頼”の物語がメイン。
ナズナのほっこりコメディから、カオスとの拳の激闘、そしてエリーの知略戦まで、奈落という組織の魅力がバランスよく詰まった一冊だった。
次巻では、いよいよ獣人連合国との全面戦争が勃発する。
巨塔の魔女役エリーがどんな戦術を繰り出すのか、ライトはどの段階で前線に立つのか――
その全てが気になる、まさに“開戦の狼煙”となる巻だった。





