「身体は満たされるのに、心は空っぽのまま。」
そんな経験を重ねてきた30代女性にこそ刺さるTLマンガが、『宮原先輩と藤原くん』です。
軽い関係から始まったはずなのに、気づけば相手の視線や言葉が心に残る——。
本作は、オフィスという現実的な舞台で描かれる、大人のための静かな執着と恋愛の物語です。
※前編と後編の2話完結作品。
⇒後編レビューもあります。
あらすじ(ネタバレ最小)
同じ会社で働く先輩・宮原依鈴と後輩・藤原元気。
ある日、依鈴が落としたスマホをきっかけに、ふたりはマッチングアプリを通じて再会します。
最初は軽い気持ちで会ったはずが、流れで一夜を共にすることに。
身体の相性は驚くほど良く、関係は続いていくものの、会社ではあくまで他人行儀。
「これは恋なのか、それともただのセフレ関係なのか」
揺れる依鈴の気持ちと、ずっと想い続けてきた藤原の本心が、少しずつ交差していきます。
世界観と舞台設定
舞台は現代のオフィスを中心に、ラブホテルや自宅といったプライベート空間。
仕事中の節度ある距離感と、二人きりになったときの濃密な空気感の対比が印象的です。
現実にありそうな環境だからこそ、感情の揺れや葛藤がリアルに伝わってきます。
前編の見どころ
本作の魅力は、派手な展開ではなく、感情が少しずつズレていく過程にあります。
特に印象的だったポイントを3つ挙げます。
マッチングアプリで再会する「必然」
偶然を装った再会の中で、藤原が放つ一言。
「偶然」ではなく「必然」と言い切る姿に、彼の本気度と執着がにじみ出ます。
この時点で、読者はすでにただの後輩ではないことを悟らされます。
※この部分はコメディタッチで描かれているので、ストーカーとかそういった類ではないです。
身体は近いのに、心が遠い関係
会えば自然と身体を重ねる関係なのに、会社では必要最低限の会話だけ。
その落差が、依鈴の中に小さな違和感を積み重ねていきます。
「求められている」のは確かでも、それが自分自身なのか、ただの相手なのか分からない。
依鈴が距離を取ろうとする選択にも、強い説得力が生まれています。
人目を気にしない藤原の告白
藤原が選んだ告白の場所は、あまりにも現実的で、あまりにも無防備。
職場という「日常」の中で想いをぶつける行為は、彼にとってこの関係が遊びではなかった証でもあります。
身体だけの関係から、ちゃんと恋人として選ばれる瞬間。
この告白は、関係性をひっくり返す決定打として、非常に印象深い場面です。
読後の感想・考察
結婚適齢期の依鈴の葛藤がとてもリアルに感じられます。
若い頃のように勢いだけで恋ができず、「ちゃんと大切にされているのか」を無意識に測ってしまう感覚。
藤原の執着は決して軽くはありませんが、それを隠さず、逃げずに言葉にする姿勢が、最終的には安心感につながります。
身体だけの関係では満たされなかった理由が、「心が選ばれていなかったから」だと気づく瞬間が、この作品の核心だと思いました。
まとめ
『宮原先輩と藤原くん』は、
軽く始まった関係が、本気の恋愛に変わるまでを丁寧に描いたTLマンガです。
派手な演出よりも、感情の積み重ねを大切にしている点が、大人の読者に心地よく響きます。
前編だけで完結でもおかしくないくらい、出会いからハッピーエンドまで描かれています。
前編は「おうちデート」の約束をして終了。後編でどんな甘い展開になるのか・・・
前編だけでも十分に満たされる構成だからこそ、
「おうちデート」の約束で幕を引くこの終わり方が、後編への期待を自然と高めてくれます。





