好きと伝えたのに、信じてもらえない。独り占めしたいのに、思いきり抱きしめられない。
紗雪と眞人の恋は、甘さと痛みが表裏一体のまま、またひとつ試される局面を迎えます。
そして今回は、静かに退場すると思われた“彼”が、思いがけない形で再び舞台へ。
大人の恋愛が抱える「自尊心」と「独占欲」が丁寧に描かれる回です。
あらすじ(ネタバレ最小)
監禁騒動のあと、一度は互いの気持ちを確かめ合った紗雪と眞人。
しかし、紗雪の妹・涼夏は眞人を強く拒絶し、二人の関係にはまだしこりが残っていた。
そんななか、紗雪は自分の気持ちに決着をつけるため、かつて告白を受けた高屋に向き合うことを決意する──。
第7話の見どころ
紗雪が“選ぶ”側へと変わっていく回。
ただ恋を与えられるだけの関係ではなく、自分の言葉で、自分の意志で、想いを確かにしていく姿がとても印象的です。
その一方で、眞人はまだ「信じたいのに信じきれない」まま。
そして、二人を外側から動かす涼夏と高屋の存在が、物語に静かな波紋を投げかけます。
甘さと痛みが溶け合う、心にじんわり残る回でした。
“選び取る恋”としての告白
今回の紗雪は、感情のまま流されるのではなく、自分の想いをはっきり言葉にする姿が印象的。
「誰かに好きと言われたから」ではなく、
「眞人が好きだから眞人を選ぶ」。
この“自分の意志”が、二人の関係に確かな重みを与えます。
高屋の静かな優しさが胸に残る
紗雪の想いを受け止めた高屋が見せたのは、引き止めでも怒りでもなく、穏やかな感謝。
恋に敗れながらも、誰かを大切に思うことを曲げなかった彼は、物語に静かな余韻を残します。顔も心もイケメンですな。
この場面は、大人の恋愛を描くTLマンガならではの深さ。
涼夏が“物語の鍵”へ動く
一度は眞人に反発した涼夏が、今度は高屋の前に現れる。
「私はあなたを推します」
その言葉は、恋の構図を根底から揺らす一手。
姉を守りたいだけなのか、それとも別の感情が芽生えたのか──
ここからの展開は大きく波打ちそうで印象的。
読後の感想・考察
紗雪は“好き”を言葉にして、眞人はそれを信じたいのに信じきれない。
恋人同士なのに距離がある。
この不安定さが物語を前に進めています。
そして涼夏が高屋に手を伸ばした瞬間、二人だけの世界では終われなくなったことが明確に。
「恋は、誰かの気持ちと同時に、自分の自尊心とも戦うものだ」
そんなテーマがくっきり感じられました。
まとめ
第7話は、“決着”ではなく“次の波”の始まり。
紗雪と眞人の恋は、まだ形を定められていません。
だからこそ、切なくて愛おしい。
そして、波乱の匂いがして、目が離せない。
次話、感情はさらに深く、そして鋭く動きそうです。





