熱を帯びた関係が続く中で、あえて踏みとどまる選択。
第7話は、桃乃と菊生が“最後の一線を越えなかった夜”を通して、男女の考え方の違いと心のすれ違いを丁寧に描き出す一話です。
甘さと切なさが同時に残る、大人の恋愛TLマンガらしい余韻が印象的でした。
あらすじ(ネタバレ最小)
舞台は桃乃の家。壊れてしまった眼鏡をきっかけに、前夜の出来事が回想として描かれます。
一緒に過ごした濃密な時間、そして「今日はもう止めましょう」という菊生の言葉。
その言葉をどう受け取ったのか――桃乃と菊生、それぞれの心の内が静かに浮かび上がっていきます。
第7話の見どころ
一見穏やかな展開の中に、感情のズレが確かに存在する――そんな“静かな見どころ”が詰まった回です。
止められた理由を巡る、桃乃の不安
菊生に「今日はもう止めましょう」と言われたことで、桃乃は自分に原因があったのではないかと考え込んでしまいます。
痛かったのか、嫌われたのか――感情で受け止めてしまう姿は、とても女性的で共感を誘います。
菊生がブレーキをかけた“本当の理由”
一方の菊生は、まったく違う理由で立ち止まっていました。
桃乃の姿に興奮しすぎた菊生は、このまま最後まで続けても桃乃を満足させることはできない。むしろ恥ずかしい結果になる。
同じ出来事でも、受け止め方がまるで違う点が、この7話の核心のようで面白いです。
忘れられている「初めて会った日」の伏線
菊生の心中に浮かぶ「初めて会った日の記憶」。
今の会社に入る前、二人はすでにどこかで出会っていたことが示唆されます。
しかし桃乃はその事実を覚えていない――この非対称な記憶が、今後の展開への期待を強く残します。
名言・印象的なセリフ
「俺は、初めて会った日のことも今でも鮮明に思い出せる」
この一文は、第7話における菊生の感情を象徴する重要なモノローグです。
会社に入社し、偶然の再会を果たした菊生と桃乃。しかし桃乃は、まるで初対面の相手のように菊生に接してくる。
その温度差が、菊生の心に小さくも鋭い棘を残していたことが、ここで静かに明かされます。
そして思い返されるのが、第1話で見せていた、どこか素っ気なく、意地悪にも見えた菊生の態度。
それは余裕からではなく、覚えていなかったことへの拗ねや、傷ついた自尊心の裏返しだった――
この回想によって、これまでの行動すべてに一本の筋が通ります。
「ガキみたいに本当だっせーの。もうカッコ悪いとこ見せらんねー。」
この独白は、菊生が“男としてどう在りたいか”を決意する瞬間でもあります。
そして第7話で見せた「今日は止めましょう」という選択にも繋がっていく。
感情に流されず、相手を想う側に立つ――この名言は、菊生というキャラクターの“成長宣言”のようにも感じられます。
また7話後半では、桃乃がコンタクトで出社してくるのですが、菊生はその姿に初対面のときの桃乃を重ねたようにも見えました。
よりこの成長宣言が確たるものになったように思います。
まとめ
第7話は、激しい展開こそ控えめながら、心の動きが非常に濃密な一話。
最後の一線を越えなかった夜が、二人の関係をより複雑に、そして深くしていきます。
感情と理性のズレが生む余韻を味わいたい方には、ぜひ読んでほしい回です。


