あらすじ:トーランに腰を据えることにしたタクマは、孤児院を拠点に人々の暮らしを支える道を模索する。
しかし、そこに立ちはだかったのは借金問題と強欲な商人たち。
さらに領主からの「王への献上品」の相談を受け、おっさん流の意外な解決策が生まれる――。
3巻の収録話と内容紹介


[漫画]ひらぶき雅浩 [原作]シ・ガレット

『異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く?』3巻には 第13話~第19話 が収録。
孤児院の借金トラブルから領主との交流、王への献上品作りまで、生活感と異世界ビジネスが濃く描かれる。
- 第13話:孤児院に薬草園を作る拓真。マイヤーズ戦での「理性を超えた力」が大口真神の影響だと判明。夜、ドリム商会が借金問題を持ちかける。
- 第14話:ドリムが温泉を要求。ハワードと交渉し、キングボア討伐に挑む。
- 第15話:キングボア討伐中にタクマが丸のみされるピンチに!ワリムの助力で救出。実は二重スパイの可能性があると判明。
- 第16話:孤児院に戻るとドリムが子供たちを差し押さえようとする。商業ギルド長シェードが現れ、タクマとドリム双方を一喝。
- 第17話:シェードが「薬草園」「手押しポンプ」の価値を見抜き、孤児院側が借金返済+労働者雇用資金を得る。領主コラルが訪れ、王への献上品相談を持ちかける。
- 第18話:ピクニックで食べたベリーとチョコレートがヒントとなり、献上品を思いつくタクマ。
- 第19話:披露された献上品は「酒とチョコ菓子の組み合わせ」。意外な発想にコラルも絶賛し、王への期待を高める。
登場人物の動きや印象
- 佐東拓真:孤児院の借金問題に巻き込まれつつも、薬草園やポンプ導入で解決。王への献上品に挑むなど「生活を豊かにする異世界人」としての役割が際立つ。
- ヴァイス:今回も癒し枠担当か。出番はあまりない。
- ナビ:すぐに感情的になるタクマのツッコミ役、商談でも冷静な相棒役。
- ハワード:借金交渉やキングボア討伐で力を貸す。タクマとの絆が深まる。
- ワリム:二重スパイの疑惑を抱える存在に。今後の動きが不穏。
- ドリム:温泉を狙う商人。借金を盾に子供まで差し押さえようとする悪役。
- シェード:商業ギルド長。利に走るドリムと感情に流されるタクマを諫め、ビジネスの真髄を説く立ち位置。
- コラル:現領主でミークの父。王への献上品相談を通じ、タクマと接近。
- シエル:孤児院を支えるシスター。日常パートで温かみを添える存在。
3巻の見どころや印象に残った展開
3巻は「おっさんが異世界でどう暮らし、どう人を支えるか」が大きなテーマ。借金問題から献上品作りまで、バトルと日常、シリアスとユーモアのバランスが光る一冊でした。
借金問題とシェードの慧眼
孤児院を守るために奔走するタクマだが、借金を盾に揺さぶるドリムに対して、シェードが放った「目先の利益ばかり追うな」の一言は印象的。
薬草園とポンプという“おっさん流の生活改善”が正しく評価される場面は爽快。
キングボア討伐とワリムの裏の顔
タクマが丸のみされるというピンチの場面はシリーズでも緊張感高めのバトル。
そこで現れるワリムが実は二重スパイという事実は、今後の政治的陰謀を匂わせる大きな伏線となりそう。
異世界流の献上品=酒とチョコ
王への献上品という大舞台で、奇抜な発明や珍品ではなく「酒と甘味の組み合わせ」で勝負したのは意外性抜群。
日本的な“マリアージュ”の発想を異世界に持ち込む姿は、タクマらしい年の功が光った瞬間かと思います。
まとめ
3巻は、孤児院を守るおっさんの奮闘と、王への献上品騒動が描かれた巻。
単なる戦闘だけでなく、商業や政治、生活改善といった現実的なテーマが物語に深みを与えている。
また、ワリムの正体やシェードの登場など、今後の大きな展開につながる伏線も豊富。
「異世界で暮らすおっさん」の物語として、ますます読み応えの増す巻だった。