アキラが異世界で商会を軌道に乗せつつある中、魚料理をきっかけに仲間たちとの絆を深めていく3巻。
しかしその裏では、王国やブロウが不穏な動きを見せはじめ、平穏な日常に影が差す――。
のんびりスローライフに緊張感が混ざる、物語の転換点となる巻です。
3巻の収録話と内容紹介
3巻は第11話〜第15話を収録。
まったりとした食事回から一転、波動修行や無許可狩猟事件、そして死刑判決まで――ストーリーが大きく動き出す展開です。
- 11話:
アキラは魚料理のため、チェリナと商会の船へ。エルフのヤラライが木炭の知識を持っており、開発が進む。船上での料理会では、初対面の仲間たちがタコ焼きパーティで打ち解ける。 - 12話:
ハッグに誘われ、アキラは波動の修行へ。彼の波動は「螺旋の波動」という激レアな型。鍛錬ののち、耐熱レンガの石窯が完成し、ピザが話題に。チェリナとの信頼もさらに深まる。 - 13話:
漁業ギルドと飲食ギルドに魚料理を披露。下魚扱いされていた食材を美味しく調理し大成功。チェリナがアキラを意識し始める描写も。一方、ブロウ側では不穏な動きが。 - 14話:
波動修行中、手負いのハグレバッファローと遭遇。アキラたちは連携して撃破するが、ブロウが部隊を率いて現れ、不穏な空気に。 - 15話:
ブロウの策略で「無許可狩猟」の罪を着せられるアキラ。護衛を守るために自ら罪を被り、王国に連行。理不尽な裁判で死刑が宣告される。仲間たちは救出に動き出す。
登場人物の動きや印象
- アキラ:
料理や開発の手を緩めず、ついに波動修行にも挑戦。職人・商人・戦士としての幅が広がり、仲間との絆も深まる一方で、王国との対立が避けられなくなっていく。 - チェリナ:
アキラへの信頼と好意が明確に。商才も発揮し、ギルド交渉や商談の場で存在感を強める。 - ハッグ:
アキラを鍛え導く頼れる兄貴分。波動修行を通して関係が深まる。後半ではアキラ救出の中心人物に。 - ヤラライ:
エルフとしての知識と冷静さが光る。木炭や波動修行で貢献。仲間としての信頼がより強固に。 - ブロウ/国王:
アキラへの敵意が顕在化。物語が新たなフェーズへ進む引き金を引く存在。
3巻の見どころや印象に残った点
3巻は、これまでの“異世界食と商会経営”という穏やかな世界観の裏に潜む、政治と権力の闇が覗く巻です。
アキラたちの関係が深まる温かな場面と、理不尽な展開のコントラストが印象的でした。
異世界魚料理の宴と仲間の絆
タコ焼きやオコゼの唐揚げなど、日本的な魚料理を通して仲間たちが打ち解けていくシーンが心温まる。
エルフやドワーフと人間が同じ食卓で笑い合う光景が、作品全体の「異種族交流×食」のテーマを際立たせる。
波動修行と「螺旋の波動」という新要素
アキラの内なる力“波動”が覚醒。異世界スローライフの中にバトル的要素が加わり、今後への布石が感じられる。
ハッグとの師弟関係もここで確立し、後の戦いに向けた準備が整った気がするが、商売RPGが本流なので勘違いかもしれない。
ブロウの策略と死刑判決、最大の転機
ハグレバッファロー討伐から一転、理不尽な裁判で死刑宣告――。
これまで築いてきた穏やかな日常が崩れ、物語は一気に緊張感を増す。
読者目線で「ここから何が起こるのか」という次巻への期待を煽る展開。
まとめ
3巻は「平穏から激動へ」の転換点。
アキラの波動覚醒や仲間との絆、そして王国の陰謀と、物語のスケールが一気に広がる巻でした。
料理・開発・修行・政治――それぞれの要素が交錯し、読後は“続きが気になって仕方ない”一冊です。