神さまSHOPでチートの香り 2巻レビュー|広がる商機と国の陰謀

異世界で生きる物語
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『神さまSHOPでチートの香り』第2巻では、主人公アキラの商売チートがより実践的に活かされ、物語のスケールが一気に拡大。

ヤラライや神官レイティアの登場シーンも増え、日常の中にも政治の影が差し込みます。

チェリナとの協力関係が深まる一方で、王国側の陰謀が静かに動き出す緊張感あふれる展開です。

2巻の収録話と内容紹介

神さまSHOPでチートの香り (2)

神さまSHOPでチートの香り (2)

2巻は6~10話を収録。

  • 第6話 宿でドワーフのハッグとエルフのヤラライが喧嘩。アキラの仲裁で和解する。チェリナの相談役となったアキラは、紙が存在しない世界に目を付け、SHOPで「和紙作成全書」を購入。異世界に“紙革命”をもたらす一歩を踏み出す。
  • 第7話 ヤラライの意外なリクエストはトマトサンドとカツサンド。チェリナからはカード型空理具の試作品を見せられるが、改良には和紙の完成が必要と感じる。アキラは夜、とんかつを作り仲間たちと食卓を囲む。
  • 第8話 体調を崩したチェリナを気遣うアキラ。街で再会した神官レイティアを助けるため、盗賊と戦う。助太刀に来たハッグとヤラライのお目当ては“とんかつ”だったというユーモラスな展開も。
  • 第9話 和紙と木炭の試作が進む中、野盗の襲撃が続発。裏に黒幕の存在を感じるアキラ。
  • 第10話 野盗に襲われ負傷するアキラを、ヤラライが救出。護衛契約を結ぶ。場面は国王側へ。特命大臣ブロウ・ソーアが登場し、チェリナとアキラを取り巻く政治的な思惑が明かされる。

登場人物の動きや印象

  • アキラ
     和紙や木炭など新たな商材を開発し、異世界に“技術革新”をもたらしつつある。現代知識を活かす姿勢がますます頼もしい。
  • チェリナ
     病に伏す場面もありつつ(実際は病ではないが)商会経営に情熱を燃やす。アキラへの信頼を深め、ビジネスパートナー以上の絆を感じさせる。
  • ヤラライ
     ハッグの旧友で犬猿の仲。皮肉屋だが行動力があり、護衛としてアキラを支える存在に。
  • ハッグ
     豪胆で憎めない。戦闘面でも頼もしく、コミカルな掛け合いで物語に温かみを添える。
  • レイティア
     神官としての立場からアキラと交流。奉納に関する重要な情報を握るキーパーソン。
  • ブロウ・ソーア
     国を憂う改革派官僚だが、結果的にアキラの敵となる立ち位置。単純な悪役ではなく、信念ゆえの対立が描かれている。

2巻の見どころや印象に残った点

2巻では、物語の舞台が商会から国家へと広がり、アキラの小さな商売が思わぬ大事件を呼び起こしていきます。人と人との信頼、そして信念と欲望が交差するドラマが、静かに火を灯す巻でした。

商売チートから“産業革命”へ

1巻では商品販売中心だったアキラが、2巻では「和紙」や「木炭」といった生産系アイテムへ踏み出します。

商売チートが単なる金儲けにとどまらず、世界そのものを変える可能性を見せ始めました。

仲間たちの距離感と掛け合い

ハッグとヤラライの犬猿コンビ、チェリナの体調を気遣うアキラ、レイティアを助ける騒動など、キャラクター同士の関係がぐっと深まりました。

特に、とんかつを振舞うシーンが2度ありますが、ハッグ、ヤラライ、ナルニア、レイティアとの仲は深まったように思います。

国の陰謀とブロウ・ソーアの存在

後半で明かされる国王とブロウの動きが物語を一気にシリアスに。

ブロウの改革思想とアキラの行動が交錯し、単なる勧善懲悪ではない政治劇としての魅力を帯び始めています。

まとめ

『神さまSHOPでチートの香り』2巻は、商売チートから社会構造へと踏み込んだ転換点の巻。

仲間たちとの絆、国家の思惑、そして裏で動くブロウの策謀――すべてが次なる波乱の布石となっています。

聖印奉納という本来の目的が遠のくほどに、アキラの存在がこの世界で大きくなっていく予感を感じさせる一冊です。