悪役令嬢に転生したら理想の部屋が手に入りました!レビュー|断罪よりも“自室最優先”な癒し系異世界

女性向け異世界
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悪役令嬢に転生——と聞けば、断罪、婚約破棄、ざまぁ展開を思い浮かべる人も多いはず。

しかし本作の主人公が求めるのは、名誉でも王太子でもない。
ただひとつ——理想の部屋。

築50年のボロアパート暮らしから侯爵令嬢へ。
人生逆転の先にあったのは、華やかな社交界ではなく“最高の自室”だった。

ほっこり系・異色の悪役令嬢物語をレビューする。

作品基本情報

タイトル悪役令嬢に転生したら理想の部屋が手に入りました!
原作/作画岡野く仔
出版社 / 掲載誌(サイト)イースト・プレス/ツイコミ
ジャンル悪役令嬢、コメディ
巻数既刊2巻
アニメ・映画展開なし

あらすじ(ネタバレ最小)

前世では築50年・風呂なし・トイレ共同のボロアパートに住んでいた主人公。
「こんな部屋に住みたい」という理想を叶えられないまま、事故に遭い命を落とす。

目覚めるとそこは異世界。
侯爵令嬢シェリーの体に憑依していた。
豪華なドレス、猫足のバスタブ、美味しい料理——
すべてが夢のような環境。

しかし彼女の最大の関心は、王太子との婚約でも地位でもない。
ただひたすらに、自分の部屋を理想の空間へと近づけること。

断罪もざまぁもない。
“部屋づくり”に全力を注ぐ、穏やかな異世界ライフが始まる。

作品の魅力

本作の魅力は、悪役令嬢ジャンルの“お約束”をあえて外し、自分の「好き」をとことん追求する姿にフォーカスしている点にある。

断罪もざまぁもなく、権力争いもない。
あるのは、理想の部屋で過ごす時間を何よりも大切にする主人公の価値観だけ。

その潔さと天真爛漫さが、読者にじんわりとした癒しを与えてくれる。
静かだけれど確かな満足感——それが本作最大の魅力だ。

断罪よりも“自室最優先”という新ジャンル

悪役令嬢ジャンルの定番といえば、婚約破棄や断罪劇。

本作にも婚約解消のエピソードはある。
しかし主人公シェリーはまったく動じない。

なぜなら——
王太子よりも、自室のカーテンの色のほうが大事だから。

この価値観のズレが、とにかく面白い。
物語の緊張感よりも“快適さ”が最優先される異色作である。

天真爛漫すぎる主人公がとにかく可愛い

前世が極度の貧乏暮らしだったため、侯爵家の生活すべてに感動するシェリー。

クローゼットのドレスに感動。
猫足バスタブに感動。
料理に感動。

裏表がなく、計算もない。
メイドや執事にきちんと感謝を伝える姿勢もあり、嫌味がない。

悪役令嬢というより、純粋に“部屋を愛する令嬢”。
読者の好感度が非常に高い主人公だ。

癒し特化の世界観

本作には特殊能力もなければ、商売で大成功する展開もない。

魔法で部屋を作るわけでもない。
「ピンクのカーテンが欲しい」と言えば、従者が用意してくれる。

それだけ。

だがそれがいい。

自分の部屋=回復の場所。
疲れた心を癒す空間をひたすら追求する物語は、読者にも穏やかな時間を与えてくれる。

大きな対立のない平和な世界観が、本作の最大の特徴だ。

ゆるく進む片想い

第二王太子との婚約は解消。
代わりにお見合い相手として登場するのが伯爵家のイアン。

彼もまたインドア派。
自室で過ごすことを好む人物。

シェリーはあくまで“部屋”に興味があり、
イアンは“シェリー”に興味がある。

告白もなければ、情熱的な愛情表現もない。
だが読者目線では「もう付き合ってるでしょ」と言いたくなる距離感。

このもどかしい空気感が、静かに心地いい。

こんな人におすすめ

  • ざまぁ展開に少し疲れている人
  • ドロドロした権力争いが苦手な人
  • インテリアや部屋づくりが好きな人
  • 悪役令嬢ジャンルの変化球を探している人

刺激よりも“癒し”を求める読者に刺さる作品かと思います。

まとめ

『悪役令嬢に転生したら理想の部屋が手に入りました!』は、断罪や復讐ではなく、“快適な自室”を最優先する異色の悪役令嬢作品。

物語的な刺激は少なめ。
しかしそのぶん、圧倒的なほっこり感がある。


「自分の好きなことを突き詰める主人公」という一点で、確かな魅力を持つ一作だ。