第7巻は、これまで物語を支えてきたヒロイン・カエデに本格的にスポットが当たる一冊。
スコルパ再訪、サラの首輪解呪、そして帝国との激突――
物語は国家レベルの戦いへ拡大しながらも、中心にあるのは“家族”だ。
3巻で登場したファウゼルが思わぬキーパーソンとして再浮上し、カエデの両親との再会という大きな伏線がついに回収される。
戦争と親子愛が交差する、感情密度の高い巻だった。
7巻の収録話と内容紹介
7巻は37話~42話を収録。
第37話
目的は二つ。
カエデの両親の情報収集と、サラの奴隷首輪の解呪方法探し。
3巻以来となるスコルパ再訪。
船にはカエデが命を吹き込み、前回11日かかった航海はわずか4日へ短縮。
出発前に「欲しいもの」を募る場面も描かれ、酒や種馬など、国らしい生活感が広がっているのが印象的。
第38話
スコルパで物資売却→買い出し。
スペシャルショッピングの「ファイアーソード」など戦力面も強化。
サラの首輪解呪のため奴隷商モリーニを探すが、港町ノメルへ向かったと判明。
道中で3巻に登場した傭兵ファウゼルと再会。
第39話
ファウゼルはモリーニを解雇されており、カイに雇用を申し出る。
ノメルでモリーニと対峙し、首輪の解呪方法を聞き出す。
サラの首輪が外れるシーンは、この巻の小さなクライマックス。
ハグするサラの表情から、カイへの想いが一段階深まったのが分かる。
第40話
帝国とラベルダ王国の戦争の噂。
ノメルは帝国側で荒れている。
ここで明かされる事実――
エンフィールド将軍こそ、カエデの父エドワード。
しかし彼はカエデが死んだと思い込み、神殿に利用されている状態。
ファウゼルが12年来の友人だったことも判明。
第41話
カエデが父へ手紙を書く。
だが待ち合わせに現れない。
カイは帝国船を燃やし、エドワードを強制的に誘い出す作戦へ。
第42話
帝国軍との総力戦。
神官や魔法師を含む本気の戦闘。
殺さず救う方針のカイ側と、全力で殺しに来る帝国側。
劣勢の中、カエデが覚醒。
「パパのアホ」
大地に命を吹き込み、圧倒的な力で戦況を覆す。
エドワード救出。
母との再会。
そして両親、ガンジー(犬)、ファウゼルがカイの国へ加わる。
登場人物の動き・印象
これまで技術枠・内政枠の印象が強かったが、今巻では感情と覚悟が爆発。
父を救うため、自ら戦局を変える存在へ。
ヒロインとしても戦力としても格が一段上がった。
サラやカエデのために奔走。
建国者として、民のために動く構図に見て取れる。
3巻ではモブ的立場。
だが今巻で一気に重要人物へ昇格。
カエデ家族とカイ陣営を繋ぐ架け橋となる。
首輪解呪で精神的にも完全に解放。
ヒロインレース的にも一歩前進。
7巻の見どころ・印象に残った展開
第7巻は「再会」と「総力戦」が軸。
物語構造的にも大きな節目だ。
サラの首輪解呪という小さな解放
戦争前に描かれた優しい解放劇。
サラのハグは、読者にも報われた感覚を与える。
奴隷という重い設定に一区切りがついた瞬間で印象的。
ファウゼル再登場の意味
過去キャラの再活用。
単なる再登場ではなく、物語の鍵を握る人物へ昇格したのは見どころ。
シリーズを読み続けてきた読者ほど嬉しい展開。
カエデ覚醒と父娘再会
最大の山場。
仲間が傷付く中、感情が爆発するカエデ。
戦力としても物語的にも“主役回”。
2巻から積み重ねてきた「両親に会いたい」という想いがついに回収された見どころ回。
7巻全体のテーマ・考察
国家、戦争、神殿――
スケールは拡大しているが、中心にあるのは親子の絆。
気になるのは神殿の影。
エドワードが操られていたこと。
帝国が神殿に利用されている構図。
ビーエは登場しなかったが、
裏では神殿の支配構造が広がっている。
帝国VS王国という戦争も、
実は神殿の意図が絡んでいる可能性は高い。
物語は確実に“反神殿編”の拡大フェーズに入っている。
まとめ
第7巻は、シリーズ屈指の感情回。
カエデの物語が一段落し、
同時に国家の戦力も大幅増強。
・エンフィールド将軍加入
・ファウゼル加入
・家族再会
・戦争規模の戦闘経験
イベント後に必ず国が強くなる本作らしい構造も健在だった。
家族を取り戻したカエデが、
今後どんな立場で国家を支えていくのかにも注目したい。




