『無限ガチャ』第9巻レビュー|ソウルドラゴン討伐とシオンへの決着。魂をめぐる最終研究と復讐の終着点

異世界で生きる物語
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『無限ガチャ』第9巻では、ついに魂研究者シオンとの最終対決が描かれます。

約1億もの魂で構成された“ソウルドラゴン”という規格外の敵を相手に、ライトが繰り出すのは3年間蓄積してきた膨大な「浄化カード」。


魂を救いながら敵を滅ぼすという、まさに光と闇が交錯する戦いが展開され、これまでのバトルとはまた違った展開に。シオン編堂々完結

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9巻の収録話と内容紹介

第9巻(第62話〜第69話)では、魂研究者シオンとその相棒・ソウルドラゴンとの決戦が中心となります。

序盤の62話では、シオンの生い立ちと思想が明らかに。
天才的な頭脳を持ちながらも、「偉大な研究のためには犠牲が必要」と考える彼女は、人を魂の材料とする非人道的研究に没頭していました。
やがて追放されながらも研究を続けたシオンは、国家の依頼を受けて“マスター調査”に参加し、そこでライト殺害事件に関与することになります。

戦闘が始まると、ソウルドラゴンが魂を操り無限に手下を召喚。
しかしライトは“無限ガチャ”で3年間引き続けて集めた「浄化カード」を使い、1億におよぶ魂を救済しながら敵を浄化していきます。
ついには神葬グングニールを放ち、ソウルドラゴンを完全に消滅。モンスター化していたモモも浄化され、再び家族と再会を果たします。

その後、ライトは意識を失い、夢の中で亡き両親と再会。短い語らいののち、両親は穏やかに天へと還っていきます。
目を覚ましたライトの前には、なおもシオンが立ちはだかる──しかし彼女は恐怖も悔恨も見せず、ライトに“共に魂の研究をしよう”と持ちかけるのです。
無感情のまま神をも利用しようとするその姿に、ライトは「地獄門」のカードで制裁を下す。
初めて“痛み”を知ったシオンの苦悶の表情とともに、ライトの長き復讐が幕を閉じました。

登場人物の動き・印象

ライト

前巻に続き、冷静かつ緻密な計画性を見せた。3年間で溜め続けた膨大な浄化カードを使う展開は、まさに「積み重ねた努力の勝利」。
両親との再会シーンでは、これまで抑えてきた心情が垣間見え、ライトという人物の「人間らしさ」も強調された。

エリー&メイ

戦闘中のサポート役として活躍。特にエリーの「残念ですが…」と冷静に状況を伝える姿勢が、ライトの感情を引き出すスイッチになっていた。

シオン

幼少期からの才能と歪んだ倫理観が丁寧に描かれた巻。感情の欠如が特徴だったが、「地獄門」を受けたことで初めて“痛み”を理解し、人間的な感情を手に入れたようにも見える。
皮肉にも、苦痛の中で“感情を得る”というラストが印象的だった。

ソウルドラゴン

神話的な存在ながら、驚くほど感情豊か。余裕の笑み、恐怖、命乞いといった表情の変化が人間以上にドラマティックで、9巻最大の存在感を放つ。

9巻の見どころ・印象に残った展開

「魂を救うための戦い」と「復讐のための戦い」。その境界線が曖昧になっていく第9巻では、ライトの行動一つひとつに“人としての選択”が滲む。

圧倒的なスケールの戦闘の中にも、静かに積み重ねてきた心の物語がある。

約1億の魂を相手にした“浄化戦”のスケール感

魂の集合体という規格外の敵に対し、ライトは3年間で集めた9999万9999枚の浄化カードを放出。

ソウルドラゴンの嘲笑が一瞬で凍りつく場面は、かなり印象的。

単なる力押しではなく、“魂を救いながら倒す”というこれまでにないバトルも面白い。

ライトと両親の別れ──静かな余韻

神葬グングニール使用後に訪れる、両親との邂逅。

この世を去った魂が救われていく演出は、戦闘の余韻を優しく包み込む。

復讐と救済、その両方を背負うライトの姿が、より人間味を帯びた。

シオン、初めての「痛み」

地獄門によって“痛み”を知るシオン。

命の価値を理解できなかった彼女が、最後に人間的な苦悶を見せたことは象徴的だ。

研究の鬼として生きた天才が、感情を得た瞬間でもあり印象的。

まとめ

『無限ガチャ』第9巻は、シリーズ全体の中でも屈指の“決着巻”。

怒り・悲しみ・赦し──それらが渦巻く中で、ライトはようやく一つの復讐を終える。
魂というテーマを通じて、人の心の在り方を描いた本巻は、単なるバトル漫画を超えた深みを感じさせる仕上がりだ。

残る復讐対象者は5人・・・

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