第4巻では、ついにライト=ダークによる“サーシャへの復讐計画”が本格始動。
新たな舞台はエルフ女王国近郊に突如出現した「謎の巨塔」。そこへ、サーシャ、白の騎士団、そして奈落の精鋭たちが集結し、次なる大戦の幕開けを予感させる展開に。
前巻までの「冒険者殺し編」から一転、政治・陰謀・復讐が絡み合う緊迫の巻となっています。
第4巻の収録話と内容紹介
収録:第23話~第30話
序盤では、前巻の冒険者殺し事件が決着。ダークたちは報告を終え、冒険者ランクがCに昇格する。一方で、エリオとミヤの兄妹は冒険者を辞めて故郷へ帰還。ここで一つの旅路が終わりを告げます。
その後、ライトたちは奈落へ戻り、カイトやヤナークから各国が「マスター」を恐れる理由を調査。エリーからサーシャ復讐の準備完了が伝えられ、物語は「サーシャ編」へ突入します。
中盤では、サーシャ視点で彼女の生い立ちなどが描かれ、彼女が再び“ライト”の名を目にして動揺するシーンが印象的。さらに白の騎士団の新キャラクターたちが登場し、巨塔の出現によって各陣営が一斉に動き出す。
終盤、奈落側と白の騎士団がそれぞれ巨塔へ向かい、塔内部では転移トラップにより戦闘準備が整う。次巻への壮大なバトルの序章として、緊張感のある幕引きとなっています。
登場人物の動き・印象
この巻では登場キャラクターが一気に増加。
第4巻のライトは、ガルー編の“復讐に燃える被害者”という姿を脱し、完全に策士として動く支配者の顔を見せています。
メラ、アイスヒート、スズ、ジャックが初登場。
他にも、エリー、アオユキ、ナズナ、ゴールド、ネムムも登場。
ライトを裏切った3年後もなお、彼の苦しむ姿を「最高の思い出」と語り、何の後悔もなく貴族社会を謳歌している。
団長ハーディーをはじめ、副団長ミカエル、シャープハット、マスト、キア、ニアが初登場
4巻の見どころ・印象に残った展開
“復讐の舞台装置”として巨塔が登場。各陣営の思惑が絡み合い、緊張と興奮が高まる構成になっています。
これまでの「溜め」が一気に回収され、次巻のバトル展開に向けた導火線のような巻に感じます。
サーシャ視点の描写
サーシャは庶子で、婚約者ミカエルは王族で白の騎士団副団長。いわゆる玉の輿で、人生ならぬエルフ生の絶頂期。
そんな彼女の前に“生きているかもしれないライト”の影が現れる瞬間は、まさに転落劇の幕開けのようで印象的。
「巨塔」出現
エリ―が用意した巨塔は、まるで“復讐の舞台装置”。
中には転移トラップがあり、白の騎士団を分断。
次巻の個別バトルの演出としてワクワクする展開に感じます。
白の騎士団の登場と戦力図の再構築
ハーディー率いる白の騎士団がようやく本格登場。
敵ながらまるまる1話を使って、それぞれの実力や性格を描いているところが魅力。
巻全体のテーマ・考察
この巻のテーマは「準備」と「舞台設定」。
ライトは復讐の機会をただ待つのではなく、自ら環境を作り上げていく。サーシャの結婚を“祝福という名の復讐劇”に変える発想は、彼の冷徹さと創造性の両面を表しています。
また、敵味方を問わずキャラクターの掘り下げが増え、読者が“どちらにも感情移入できる”構成になっている点も見逃せません。
次巻での多層的な戦闘に向けた“人間(エルフ)ドラマの整理巻”とも言えそうです。
まとめ
第4巻は、まさに“戦いの前夜”といった感じ。
多くのキャラクターが動き、思惑が交差する中で、読者の期待を極限まで引き上げる構成でした。
巨塔での対決がどのように描かれるのか、サーシャがどんな結末を迎えるのか――次巻の開戦が待ちきれない展開です。





