ついに魔人国側マスターが本格的に巨塔へ接触。
第21巻は、潜入者ミキの処理と並行して、ダイゴとの大規模バトルが描かれる“衝突開始の巻”だ。
これまで圧倒的優位を保ってきた巨塔側が、初めて“明確な苦戦”を強いられる展開。
そして明かされる精霊双剣の秘密、さらにはダブルギフトという規格外設定――。
物語はついに、マスターとは何なのかが紐解かれそうな本格抗争へと踏み込んだ。
21巻の収録話と内容紹介
21巻は第156話~第163話を収録。
第156話:ミキ追い詰められる
蜂を大量召喚し反撃するミキ。しかしアイスヒートやナズナには通用しない。
壁を破壊して逃走を図るも、エリーの魔力リンクにより即座に修復。さらに巨塔周辺にはフォーナイン級が待機しており、脱出は不可能。
追い詰められたミキは、竜人種側マスターや“C様”の名を出して揺さぶりをかけるが、ライトはすべて否定。
その最中、ダイゴが巨塔外へ到着する。
第157話~第158話:始祖フェンリルVSダイゴ
巨塔外でレベル上げ目的のダイゴが暴れ始める。
始祖フェンリル(Lv9000)が迎撃するが、攻撃は一切通らない。
剣先を向けただけでフェンリルの足が裂けるなど、理解不能の攻撃。
氷属性の全力攻撃もノーダメージ。
ここでアオユキは拘束を断念し、巨塔から引き離す作戦へ変更する。
第159話:ナズナ投入
アオユキの進言でナズナとライトが出撃。
一方でミキはダイゴの双剣について意味深な発言を残す。
ナズナ(Lv9999)の攻撃ですら完全には通らないダイゴ(Lv7000)。
明らかにレベル差を覆す“何か”が存在している。
第160話:ミキ亡命というギャグ回収
アイスヒートが雪辱を誓う中、ミキはスズに一目惚れ。
「ミキィ亡命しまーす」とあっさり投降。
緊迫した空気が一瞬で崩れるギャグ展開。
結果的にミキからダイゴの双剣情報がもたらされる。
第161話~第162話:精霊双剣の秘密
ダイゴの武器は“精霊双剣”。
精霊を使役するだけでなく、存在しない精霊すら創造可能。
遠距離無効化、近接減衰の正体は精霊の干渉と判明。
情報共有後、ナズナが再び近接攻撃。
神話級武器プロメテウスが摂理を歪め、精霊の存在を無効化した可能性が高い。
ついにダイゴへ有効打が入る。
第163話:ダブルギフターの衝撃
追い詰められたダイゴは双剣を体内に融合。
さらに「天上天下唯我独尊」という能力強化系ギフトを発動。
この世界で唯一の“ダブルギフター”であることが判明し、21巻は終了。
登場人物の動き・印象
情報整理と戦術判断が光る。前線に出つつも冷静に分析する姿は完全に指揮官。
レベル9999でも即圧勝できない相手との戦闘。
蛇擬き以来の久々に“本気バトル”感があった。
1巻以来の存在感。
強者のはずが“犬ころ”扱いされる姿は少し新鮮だった。
狂気+軽薄+情報源。
亡命という予想外の選択で一気にポジションを変えた。
レベル7000ながら9999相手に余裕。
武器依存型かと思いきや、ダブルギフトという異常スペック。
今後の魔人国側の脅威を象徴する存在。
21巻の見どころ・印象に残った展開
21巻はシリアスとギャグの緩急が極端。その振れ幅が逆に印象を強めている。
始祖フェンリル敗北の衝撃
Lv9000が一方的に押される異常事態。
ここで「今回は簡単に勝てない」と読者に強く印象付けた。
実際にはアオユキによる戦略的撤退なので、始祖フェンリルがやられたわけではない。
しかしレベル差があっても、武器の特性によってはうまく立ち回れるという斬新な設定は印象的。
また1巻登場時の始祖フェンリルは威厳に満ち溢れていたが、今巻ではまるでアオユキのペットのような印象も受けて、ずいぶん可愛らしくなった点は見どころだと思う。
アイスヒートの不憫すぎる展開
ドワーフ王国編、獣人連合国編と続く中で、自身だけ目立った活躍がなかったことを気にしていたアイスヒート。
今回こそはと、メラ・ジャック・スズに「ミキの捕獲を任せてほしい」と真剣な面持ちで申し出る。
これからアイスヒートとミキの壮絶なバトルが始まるんだな・・・
と思った矢先、ミキがスズに一目惚れ。
「ミキィ亡命しまーす」
ここまで積み上げた覚悟、緊張、仲間との信頼のやり取り。
それらが一瞬で霧散するあの“ヒュウウウ……”という寒風の描写は、もはや芸術的な間の取り方で個人的に最大の見どころ。
精霊双剣の正体とダブルギフト
これまで“レベル9999こそ絶対”という安心感があった物語に、初めて本格的な不確定要素が投下された瞬間だった。
相手の能力の種が割れてしまうと途端に逆転という、能力バトルに変遷していくような気配が感じられ印象的。
21巻全体のテーマ・考察
テーマは「均衡の崩れ」。
これまでフォーナイン側が絶対優位だった構図に、
“レベルを超える武器と能力”というカウンターが提示された。
ダイゴはあくまで魔人国側マスターの一角。
今後、竜人国側マスター、そしてCへと段階的に拡大していく布石にも見える。
また、ミキの亡命は今後の情報戦を加速させる可能性が高い。
マスター同士の構図が、単純な敵味方ではなくなりつつある。
まとめ
第21巻は“序章の終わり”といった印象。
ついにマスター級との正面衝突が始まり、世界観のスケールが一段階引き上げられた。
ダイゴは本気を出し、しかもダブルギフター。
ナズナとの決着はどうなるのか。
ミキからはどんな情報が得られるのか。
今後も注目していきます。





