『FX戦士くるみちゃん』は、かわいらしい絵柄とは裏腹に、FXで追い詰められていく人間の心理をかなりリアルに描いた作品です。
「くるみは死亡する?」「芽吹はどうなった?」と、主要キャラクターの生死が気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、福賀くるみや山師芽吹をはじめ、物語の中心となる主要キャラクターたちは死亡していません。一方で、作中には実際に亡くなっている人物もおり、自殺を考えるほど追い詰められる場面や、借金を重ねながらFXを続ける壮絶な展開も描かれています。
筆者自身もFX経験がありますが、本作で本当に怖いと感じるのは、大損や強制ロスカットそのものだけではありません。
「もう少し待てば戻る」「負けた分を取り返したい」と考えてしまう、FXをする人間の心理が妙にリアルなのです。
この記事では、50話まで読んだ筆者が、『FX戦士くるみちゃん』で死亡する人物や芽吹の生死、怖い・絶望的だと感じたエピソードをネタバレありで解説します。
『FX戦士くるみちゃん』で死亡するキャラは誰?
『FX戦士くるみちゃん』は、強制ロスカットや借金、自殺を考えるほど追い詰められる展開もあるため、「結局、誰か死亡するの?」と気になる方もいるでしょう。
結論からいうと、福賀くるみ・小金萌智子・山師芽吹・高根やす子の主要4人は、いずれも死亡していません。
| キャラクター | 生死 | 補足 |
|---|---|---|
| 福賀くるみ | 生存 | FXで絶望的な状況まで追い詰められる |
| 小金萌智子 | 生存 | くるみを支える重要人物 |
| 山師芽吹 | 生存 | FXで大きな損失を出すが死亡しない |
| 高根やす子 | 生存 | 過去にFXで大きな失敗を経験 |
| くるみの母親 | 死亡 | 物語開始時点ですでに亡くなっている |
福賀くるみは死亡する?
福賀くるみは死亡しません。
ただし、物語が進むと「主人公だから大丈夫だろう」と安心して見ていられる状況ではなくなります。
くるみは母親がFXで失った2,000万円を取り戻すために投資を始め、一時はその目標を達成するほどの利益を出します。
しかし、その後に待っていたのがスイスフランショックです。
それまで積み上げてきた資産を失うだけでは済まず、1億円を超える不足金を抱える事態に。さらに残された資金を使って一発逆転を狙いますが、それすら失い、自ら命を絶つことを考えるほど追い詰められます。
それでも、くるみは死亡せず、生きる道を選びます。
ここから先の「1億円を超える不足金をどうしたのか」「くるみが最終的にどのような結末を迎えたのか」については、本記事では深掘りしません。
→ 『FX戦士くるみちゃん』最終回・結末をネタバレ|くるみは自己破産後どうなった?
で詳しく解説しています。
山師芽吹は死亡する?
山師芽吹も死亡していません。
芽吹は『FX戦士くるみちゃん』の中でも、FXによって生活が大きく変わってしまった人物です。
最初は順調に利益を出していましたが、損失を抱えるようになってから状況が一変。
奨学金や生活費だけでなく、クレジットカードや消費者金融、さらに萌智子から借りた200万円までFXにつぎ込みます。資金を作るために水商売を始めるなど、次第に生活そのものがFX中心になっていきました。
そして6巻27話、ドル円の上昇に耐えきれず強制ロスカット。
芽吹のFX人生には、ここで一つの大きな区切りがつきます。
しかし、芽吹自身が死亡するわけではありません。
むしろ筆者が芽吹のエピソードで怖いと感じたのは、「死亡」という劇的な結末ではなく、FXから退場したあとにも借金と現実の生活は残り続けることでした。
芽吹の転落は、本作の「FXはそんなに甘くない」という部分を象徴するエピソードの一つだと思います。
くるみの母親は死亡している
主要人物の中で、生死について特に重要なのがくるみの母親です。
母親は物語開始時点ですでに亡くなっています。
FXで2,000万円を失い、精神的に追い詰められた末、自ら命を絶ちました。
そして6巻28話では、母親がFXで負け始めてから、徐々に追い詰められていくまでの過去が詳しく描かれます。
ここで重要なのは、母親の死が単なる「主人公の悲しい過去」では終わっていないこと。
母親がFXで失った2,000万円を、自分がFXで取り戻す。
この目標が、くるみをFXの世界へ向かわせる原動力となっています。
しかし物語が進むにつれて、くるみ自身も母親と同じように「損失を取り返したい」という思いに追い詰められていきます。
母親の過去を知ったうえでくるみのFX人生を振り返ると、似た道をたどっていくように見えるのも、本作の怖さの一つです。
『FX戦士くるみちゃん』はなぜ怖い?
『FX戦士くるみちゃん』の怖さは、単純に「FXで大金を失う漫画だから」ではありません。
もちろん、強制ロスカットや借金、1億円を超える不足金など、金額だけ見ても恐ろしい展開はあります。
しかし筆者が50話まで読んで特に怖いと感じたのは、そこまで追い詰められていく登場人物の心理が妙にリアルなことです。
※なお、本作で描かれる2014~2015年頃も、現在と同じく国内の個人向けFXは最大25倍のレバレッジ規制が適用されていました。
また、現在の国内FXにはロスカットルールや顧客資産の区分管理など、投資者保護のための仕組みが設けられています。
本記事で紹介する「怖さ」は、FXを利用すれば必ず同じような結果になるという意味ではありません。
筆者が本作を読んで特にリアルだと感じたのは、相場そのものよりも「損切りできない」「負けを取り返したくなる」「一度の成功体験が忘れられない」といった、FXをする人間の心理です。
損切りできない心理がリアル
本作で何度も描かれるのが、損切りできない心理です。
FXを知らない人からすれば、
「損失が大きくなる前に売ればいいじゃん」
と思うかもしれません。
ところが、実際に自分のお金でポジションを持つと、これがなかなか難しい。
含み損が増えてくると、
「もう少し待てば戻るかもしれない」
「ここで決済したら本当に損してしまう」
「ここまで下がったんだから、そろそろ反転するだろう」
と考えてしまいます。
くるみや芽吹にも、こうした「損を確定させたくない」という心理が繰り返し描かれます。
本作はFXの仕組み以上に、含み損を抱えた人間がどんな思考に陥るのかをリアルに描いていると感じました。
負けるほど「取り返したい」と思ってしまう
もう一つ怖いのが、損失が大きくなるほどFXをやめにくくなっていくことです。
普通に考えれば、大きく負けたなら一度撤退したほうがいい。
しかし当事者になると、
「せめて負けた分だけ取り返してからやめたい」
という気持ちが出てきます。
芽吹はまさにその典型です。
生活費や奨学金だけでなく、クレジットカードや消費者金融、さらには萌智子から借りたお金までFXにつぎ込みます。
損失を取り返すために新たなお金を入れ、そのお金まで失えば、さらに取り返さなければならない金額が増えていく。
「取り返したい」が次の損失を生み、その損失がさらに「取り返したい」を強くする。
この悪循環がかなり生々しく描かれています。
一度勝った経験が忘れられない
『FX戦士くるみちゃん』では、登場人物が最初から負け続けているわけではありません。
むしろ、勝ててしまう瞬間があることも怖さの一つです。
芽吹は一時期、FXで連戦連勝。
くるみも大きな利益を出し、5巻25話では当初の目標だった証拠金2,000万円を突破します。
ここで終われば大成功でしょう。
しかし、一度「FXで稼げる」という経験をしているからこそ、その先があります。
損をした後、「自分ならまた取り返せる」と思ってしまうんですね。これ自体は正しいのかもしれませんが、大きく負けた人間ほどすぐに取り返そうとします。
結果的に普段では考えられないハイレバレッジで挑み惨敗。筆者も経験したことがあります。
だから本作を読んでいると、最初からまったく勝てないことより、一度大きく勝ってしまうことのほうが怖いのではないかと感じます。
FXが生活そのものを壊していく
芽吹のエピソードでは、FXの損失が投資口座の中だけでは終わりません。
生活費を削り、借金を重ね、FXの資金を作るために水商売まで始める。
次第に、生活のためにFXをするのではなく、FXを続けるために生活しているような状態になっていきます。
そして、くるみもまたFXによって人生そのものを大きく揺さぶられます。
筆者は1~2巻を読んでいた頃、
「リアルなFX漫画ではあるけど、漫画なんだから最後はくるみが大儲けしてハッピーエンドになるんだろう」
くらいに考えていました。
しかし9巻まで読むと、その印象は180度変わりました。
くるみも芽吹も、都合よく大勝ちしてすべてを取り返すわけではありません。
相場は彼女たちの事情など一切考慮せず動き続けます。
だから現在は『FX戦士くるみちゃん』を、「FXで夢をつかむ漫画」というより、「FXはそんなに甘くないことを徹底的に描いた漫画」だと感じています。
かわいらしいキャラクターたちが大金を失うから怖いのではありません。
「自分だったら絶対にこんなことはしない」と言い切れない心理が描かれている。
そこが『FX戦士くるみちゃん』の本当の怖さではないでしょうか。
『FX戦士くるみちゃん』の絶望的なエピソード3選
『FX戦士くるみちゃん』には、「ここからどうやって立て直すの?」と思ってしまうほど絶望的なエピソードがいくつもあります。
特に印象に残ったのが、芽吹の強制ロスカット、くるみの母親の過去、そしてスイスフランショック後のくるみです。
ここでは、筆者が50話まで読んだ中でも特に絶望感が強かったエピソードを紹介します。
芽吹|借金を重ねた末の強制ロスカット
山師芽吹の転落は、本作の中でもかなり長い時間をかけて描かれます。
最初から負け続けていたわけではありません。
むしろ一時期の芽吹はFXで連戦連勝。ところがポンドで大きな損失を抱えたことをきっかけに、徐々に状況が変わっていきます。
奨学金や生活費をFXにつぎ込み、それでも足りなくなるとクレジットカードや消費者金融を利用。さらに萌智子から200万円を借り、返済のために水商売まで始めます。
それでも芽吹が選んだのは撤退ではありませんでした。
ただただ、含み損が含み益に変わるその日まで耐え続ける日々。
そして6巻27話。
ドル円の上昇に耐え続けていた芽吹でしたが、ついに強制ロスカットを迎えます。
ここで特に絶望的なのが、強制ロスカットされたからといって、それまでの出来事がリセットされるわけではないこと。
FXのポジションはなくなっても、FXにつぎ込むために作った借金は残ります。
派手な「死亡」という結末ではありません。
しかし筆者としては、だからこそ芽吹のエピソードは怖かったです。
何度も「まだ取り返せる」とお金を投入した結果、最後にはFXから退場し、現実の借金だけが残る。
本作が「FXはそんなに甘くない漫画」だと強く感じ始めたエピソードでもあります。
くるみの母親|2,000万円を失った末に自ら命を絶つ
6巻28話でくるみの母親は、豪ドル/円で悠々自適なスワップ生活を送っていました。
それまでの豪ドル/円は90~100円のレンジ相場。
90円台まで下がってきたころに買い増すチャンスだと思い、貯金をつぎ込みます。
さらには保険の解約、マイホームの頭金、実家のお金など全力買い。レンジがブレイクするとは夢にも思っていなかったのでしょう。
ところが予想とは裏腹に下へ突き抜けてしまいます。また100円まで上がるだろうという思いから損切りできず結局強制ロスカット。
100万円近く証拠金が残ったものの、取り返さなきゃという意思が働きハイレバレッジで勝負し結局0円に。(当時の国内個人のレバレッジ上限は400倍)
使ってはいけないお金も溶かしてしまい家族に相談もできず命を絶ちました。
くるみ|2,000万円を達成した先に待っていたスイスフランショック
くるみは5巻25話で、ついに証拠金2,000万円を突破します。
しかし、税金のことを考えると手取りはまだ2000万円に届いておらず、その後もちょくちょく取引をしては損を出していきます。
確実な何かはないかと模索した結果、ユーロ/フランに目を付けます。(作中ではユロスイと表記されています)
1ユーロ1.2フランを割らない。割っても大きくは下げない。根拠としてはスイス国立銀行が無限に介入してくるから。
あとは上がるのを待つ作戦でユロスイロングで勝負します。
ところが中銀が1.2フランの上限を撤廃したことによってユーロ安が超加速。瞬間的な爆下げでFX業者もレート配信ができないレベルでした。
約定したのは取引再開後の強制ロスカットラインのはるか下で、1億超の追証を求められるハメになりました。
くるみも銀行預金に100万円があり、それを海外のFX口座に入れてレバレッジ400倍で勝負。
血は争えないのか、取り返そうとするも母親と同じく0円まで資産を減らし相場を退場しました。
ただし、前述したとおりくるみは死亡しません。
ここからくるみが何を考え、萌智子や父親と向き合い、1億円を超える不足金にどのような決着をつけたのかは以下をどうぞ。
→ 『FX戦士くるみちゃん』最終回・結末をネタバレ|くるみは自己破産後どうなった?
まとめ
『FX戦士くるみちゃん』では、福賀くるみ・小金萌智子・山師芽吹・高根やす子といった主要キャラクターは死亡していません。
山師芽吹も強制ロスカットによってFX人生に大きな区切りを迎えますが、死亡するわけではありません。
一方、物語開始時点ですでに亡くなっているのがくるみの母親です。FXで2,000万円を失い、自ら命を絶った過去があり、それがくるみがFXを始める大きな理由となっています。
なお、スイスフランショックで1億円を超える不足金を抱えたくるみが最終的にどうなったのかについては、
→ 『FX戦士くるみちゃん』最終回・結末をネタバレ|くるみは自己破産後どうなった?
で詳しく解説しています。
また、登場人物やあらすじ、漫画・アニメなど**『FX戦士くるみちゃん』全体について知りたい方**は、
→ 『FX戦士くるみちゃん』とは?原作漫画・アニメ・登場人物・あらすじを徹底解説
もあわせてご覧ください。
