自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。1巻レビュー|悪役令嬢を名乗る令嬢と王太子の斬新な婚約喜劇

異世界で生きる物語
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「私は悪役令嬢ですの!」と冒頭から王太子に宣言する破天荒なヒロイン。

1巻では、前世の乙女ゲーム知識を武器に運命を変えようとするバーティアと、全能感あふれる王太子セシルの出会いが描かれます。コメディとシリアスが入り混じる鮮烈な幕開けです。

第1巻の収録話と内容紹介

自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。1
自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。1

自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。1

[漫画]蓮見ナツメ [原作]しき

Renta!

1巻は1~6話と番外編を収録。

  • 1話:バーティア(8歳)は自らを「悪役令嬢」と名乗り、未来を知る転生者であるとセシルに明かす。彼女の目的は「散る運命でも、美しく悪役を演じきる」こと。セシルは彼女の奇抜さに惹かれ、興味を抱く。
  • 2話:未来で母が伝染病で死ぬと知るバーティアは救おうと決意。セシルは薬草の栽培・薬の開発に取り組み、治療薬を完成させて流行を未然に防ぐ。万能薬の副産物まで作り出す天才ぶりを発揮。
  • 3話:本来なら悪に走るはずの父ダグラスが健在なため、バーティアは父を悪の道に誘導しようと奮闘。セシルは逆に貴族たちの悪事を炙り出す計画を立てる。
  • 4話:学園生活が始まり、バーティアが「弟ができた」と告げることでシナリオが大きく変化。本来は養子となるはずのクールガンを取り込むため、セシルが直接スカウトへ動く。
  • 5話:クールガンの人間性を見抜いたセシルは、彼に諜報活動を託す。さらに精霊の存在や魔法要素が描かれ、世界観が広がる。
  • 6話:バーティアが学園に入学。セシルの弟ショーンをはじめ攻略対象たちが次々登場。お茶会でついに「ヒロイン」が姿を現し、物語がゲームの舞台へ本格的に突入する。

登場人物の動きや印象

  • バーティア:本作の主人公。転生者として未来を知りつつ「悪役令嬢らしく美しく散りたい」と願う、破天荒で真っ直ぐな少女。予想外の行動が読者を引き込みます。
  • セシル:主人公の婚約者であり、すべてを器用にこなす天才王太子。人生に退屈していた彼にとって、バーティアは格好の刺激。彼女の奔放さを面白がりつつ、裏でしっかりフォローする姿が頼もしい。
  • ダグラス(父):本来は没落ルートのはずが、娘の奇妙な導きで逆にセシルと共に悪事摘発の役割を担う。
  • クールガン:若くして有能。セシルの側近候補として早くも存在感大。本当にクールな眼をしている。
  • ヒロイン(名前は2巻で明らかに):白い鳥と戯れる不思議な少女。光の精霊の力を持ち、物語の核心へと関わっていきそうな雰囲気を漂わせる。

1巻の見どころ・印象に残った展開

「悪役令嬢」と「天才王太子」の噛み合わないようで絶妙なやり取りが楽しく、先の展開がどんどん気になる1巻。

斬新な導入とスピーディな物語展開で、読後感は良しです。

冒頭から「悪役令嬢」を名乗る斬新な導入

物語開始1コマ目からいきなり、王太子に悪役令嬢であることをカミングアウト。

しかも転生者で未来を知っていることまで明かす主人公。なかなか斬新なスタートが印象に残っています。

セシルの立ち回りも斬新

何でもすぐに理解して物にしてしまう天才セシル。薬草栽培から万能薬開発まで、軽々とやってのける規格外。

天才であるがゆえに人生に退屈していた。

婚約破棄や追放スタートではなく、とりあえず観察して様子を見るという対応がこれまた斬新で面白いです。

ヒロインの登場

ヒロインの登場は割とおそめの6話からです。

精霊を駆使して魅了魔法を使うというところまでは作中で明かされましたが、転生者なのか、逆ハーレムを狙っているのか、王太子を狙っているのか・・・

この辺のヒロインの心情を限られた描写から予想するのもまた面白いです。個人的に6話が見どころ。

まとめ

『自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。』1巻は、悪役令嬢宣言から始まる衝撃的な導入と、淡々と進んでいくスピーディな展開が魅力。

主要キャラの幼少期のエピソード、プロローグのような印象を受けました。

一方で、6話ではヒロインや攻略対象キャラが続々と登場し、2巻からいよいよ本番かなと思います。