#こち亀「バズらせ屋」編 第135巻レビュー|両津勘吉の商魂バズらせチャレンジ!

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バズる――今でこそ当たり前の言葉だが、両さんは昭和の時代から“話題づくりの達人”だった!?

135巻では、商売を盛り上げる両さんの天才的な立ち回りが3話にわたって描かれる。どの話も「一発逆転」「アイデア勝負」がテーマで、まさに令和のマーケター顔負けの発想力だ。

作品情報・概要

タイトル#こち亀 135 #バズらせ屋-1
作者秋本治
収録巻第47巻・第70巻・第103巻
テーマバズらせ屋
ジャンルギャグ/職業/人情コメディ
掲載誌週刊少年ジャンプ

テーマ解説|“バズらせ屋”としての両さん

135巻のテーマはずばり「商売をバズらせる両津勘吉」。

どの話も、閑古鳥の鳴く店や沈んだ業界を両さんが独自の発想で盛り上げていく構成だ。しかも、どれも現代にも通じるビジネス感覚が光っている。

  • 「両さんの繁盛記!」では、老舗そば屋をブランディング改革。
  • 「和服リバイバル」では、若者離れした業界を再生。
  • 「スニーカー世界戦略」では、ストリートカルチャーの波を先取り。

いずれも“お金の匂い”を嗅ぎ取る嗅覚が鋭く、商魂たくましい両さんの原点が詰まった一冊と言える。

各話レビュー

第1話「両さんの繁盛記!」(47巻収録)

あらすじ
閑古鳥が鳴くそば屋を訪れた両さん。そばを切らしているという信じられない店に興味を持ち、再建を引き受ける。頑固な職人気質を逆手に取り、外観から接客まで“古風な名店”を演出する両さん流リブランディングが始まる。

見どころ
・「成功したら売り上げの10%」とちゃっかり報酬交渉する両さんの抜け目なさ。
・壊して直す“破壊的改革”という発想。
・再建が成功した途端に、他店の経営者たちが両さんを追い回すオチまで完璧。

評価ポイント
昭和62年の作品ながら、現代の店舗リニューアルやブランディングにも通じる普遍性。今読んでも古びないテーマ構成で、両さんの商才が冴えわたる一編。

第2話「和服リバイバル」(70巻収録)

あらすじ
浅草で旧友・立花が営む呉服屋を訪ねた両さん。和服離れが進む中、PRを手伝うことに。中川や麗子も巻き込み、雑誌取材まで仕掛けるが、次第に方向性が迷走していき……。

見どころ
・両さんが恩師・御曲先生に奢らされる名シーン。
・立花の妻ルシーラとの「おやくざさんですか?」の勘違いギャグ。
・PRのはずが、観光地の珍人物になってしまう両さんのズレっぷり。

評価ポイント
「伝統をどう若者に伝えるか」という普遍的テーマを、ギャグに昇華。方向性がズレても勢いで押し切る両さんらしさが光る。

第3話「スニーカー世界戦略」(103巻収録)

あらすじ
靴屋の知人からスニーカー事業の相談を受けた両さん。成功にはプロ選手のスポンサー契約が不可欠だと助言し、まだフリーだったバクリュー・ブルース・ウィリーと破格の10万円で契約する。やがて“エアわらじ”が大ヒットするが――。

見どころ
・「10万円で契約!」という両さんの交渉力が痛快。
・ブルースが“エアわらじ”で試合に出るという狂気の発想。
・ヒットの次は“エアゲタ”という、やりすぎ展開がクセになる。

評価ポイント
マイケル・ジョーダン全盛期のバスケブームを背景に描かれた時代ネタ。スポーツ×ファッション×下町の熱気が融合した、バブル期らしい勢いが感じられる。

こんな人におすすめ

  • こち亀の中でも「商売・経営ネタ」が好きな人
  • 昭和のアイデアマン・両さんの発想を楽しみたい人
  • 現代の“バズマーケティング”の原型を感じたい人
  • 下町の活気や職人文化に興味がある人

まとめ

135巻は、両さんが「バズらせ屋」として輝くエピソードが詰まった一冊。

店の再建、伝統文化のPR、ファッションブーム――どれも現代のSNS社会に通じる構造を持っている。

昭和~平成初期のギャグでありながら、経営の本質を突くあたりがこち亀の底力だ。