「ジャンプ黄金期」と呼ばれた90年代、週刊少年ジャンプに突如現れ、読者に衝撃と爆笑をもたらした作品――それが漫☆画太郎先生の代表作『珍遊記』です。
まさに“伝説の問題作”。
一度読めば忘れられないキャラクター「山田太郎」の強烈なインパクトと、読者の予想を裏切り続ける展開。
本記事では、そんな『珍遊記』をまだ読んだことがない初心者・未読者の方向けに、できるだけわかりやすくご紹介していきます。
あらすじ
むかしむか~し、おじいさんとおばあさんがおりました。「子供がいればなあ」などと考えていると突然、畑に雷が落ち赤ん坊が現れました。
おじいさんとおばあさんは喜び、その子を太郎と名付け大層可愛がりました。
ところが成長するにつれ太郎は狂暴化し、次第に手に負えなくなります。「もう子供なんかいらねー、神様どうか引き取ってください」とお願いする始末。
そこへ旅の僧である玄じょうが訪れて・・・
作品基本情報
タイトル | 珍遊記 ~太郎とゆかいな仲間たち~ |
作者 | 漫☆画太郎 |
出版社 / 掲載誌 | 集英社 / 少年ジャンプ(1990年~1992年) |
ジャンル | ギャグ、パロディ、冒険スペクタクル大河ロマン |
巻数 | 既刊6巻(完結) |
アニメ・ドラマ展開 | 2016年に実写映画化 |
作品の魅力
珍遊記の魅力は他のギャグ漫画では類を見ない独特の世界観です。独特すぎて、それはそれは人を選びます。
ちなみに第1話の表紙に「よいこの低学年向けまんが」と表記されています。大人が読む場合には、お子さんの立場になって読む必要がありそうですね!
狂気の演出
当時ドラゴンボールがフリーザ編の人気絶頂期だったころで、感銘を受けたのかドラゴンボールのパロディが作中でいくつも登場します。しかもそれをフラっと立ち寄った酒場でねじ込んでくるパワープレイ。
あるいは0対0で迎えた9回裏と言っておきながら、サッカーの絵で状況を説明してみたりと。随所に大なり小なりのツッコミポイントが存在。
君はいくつ気付けるかな?ってことなんでしょうか。
下品ギャグの芸術性
下ネタや暴力ネタが多いです。
多いのですが、過剰表現すぎて突き抜けすぎてバカバカしさに昇華させている感じですね。
もちろん少年ジャンプで連載していたものですから、子供が見てはいけないようなネタではありません。むしろ子供が喜びそうな下品ギャグが多いかと。
基本的に主人公はフルチ・・・おっとっと。
こんな人におすすめ
- 童心に帰って笑いたい大人
- よいこな低学年の子(親には内緒だぞ)
- 画太郎ワールドに興味がある人
不完全版、廉価版、新装版の違い
実は珍遊記のコミックスは4種類あります。それらの違いについてまとめておきます。
珍遊記
ジャンプコミックスとして登場。全6巻ですべてのエピソードが収録された、いわゆる完全版。
1994年頃にはすでに絶版になっており、古本屋やネットで入手するしかない。
不完全版
ヤングジャンプコミックスとして登場。全4巻で一部のエピソードが削除されたり、一部の表現が修正されていたりする。
1冊あたりのページ数が増えているものの、削られたエピソードは結構あり。
廉価版
ジャンプリミックスとして登場。不完全版と内容は同じで全3巻。4冊分の内容が3冊に収録されているのでページ数は多め。
一時期はコンビニでよく見ましたが、現在は中古のみ入手可能。
新装版
不完全版や廉価版に比べて一部のエピソードが復活。全4巻。
電子コミックとして売られているのもこの新装版。
まとめ
珍遊記が漫☆画太郎先生の初の連載作品です。原点にして頂点。
画太郎ワールドに興味のある方は、まず珍遊記から手に取ってみるといいのではないでしょうか。