『ヤンデレ殺し!! ~執着ヤバめの幼馴染に「私も好き」と伝えたら、ラブコメルートにシフトしました~』は、幼馴染同士の「好き」の温度差から生まれる揺れと、執着と愛情の境界線を丁寧に追いかけるTLマンガです。
本記事では、第1話〜第9話を通した関係性の変化と、4人の主要人物の心理描写の流れを整理しながら、物語全体のテーマを読み解いていきます。
※各話の詳細感想は、個別レビュー記事にリンクしています。
作品概要
| タイトル | ヤンデレ殺し!! ~執着ヤバめの幼馴染に「私も好き」と伝えたら、ラブコメルートにシフトしました~ |
| 原作/作画 | 兎山もなか/かずいち |
| 出版社 / 掲載誌(レーベル) | 小学館/メルトコミックス |
| ジャンル | TL、ヤンデレ、ラブコメ |
| 巻数 | 既刊1巻、話売りもあり |
| アニメ・映画展開 | なし |
あらすじ(ネタバレ最小)
主人公である紗雪は、幼馴染の眞人から静かに向けられていた“特別な感情”に気付いていなかった。
ある出来事をきっかけに、紗雪は眞人へ「私も好き」と気持ちを伝える。
しかしこの恋、一筋縄ではいかない。紗雪の妹・涼夏、そして紗雪へ好意を寄せる高屋の存在が、4人の感情を揺らしていく・・・
登場人物と関係性
・紗雪
人を疑わない、まっすぐで純粋な性格。幼少期から眞人のことが好きだった。
・眞人
幼少期から紗雪が好きだったが、両親の影響でずっと見守る恋を選択。
独占欲が強いが、“好きの形が歪んでいる自分”にも気付いている。
・涼夏
幼少期より眞人の異常性を感じ危険視している。
姉の紗雪を大切に思っている。
・高屋
紗雪の同僚で、紗雪に片思い中。眞人や涼夏とは特に面識なし。
全話の流れとポイント整理(超簡潔)
| 話数 | 主な焦点 |
|---|---|
| 第1話 | 関係性の再確認、眞人が強引に紗雪に迫る。 |
| 第2話 | ヤンデレ殺しの意味が分かる。両思いが発覚。 |
| 第3話 | 眞人の回想シーンと盗聴発覚。 |
| 第4話 | ラブコメ突入、しかし不穏な空気も。 |
| 第5話 | 高屋の影に暴走した眞人が紗雪を監禁。 |
| 第6話 | 妹の涼夏乱入。眞人をさらに危険視。 |
| 第7話 | 紗雪が高屋に気持ちを伝えて解決かと思いきや・・・ |
| 第8話 | 紗雪と眞人を破局させるため涼夏が動く。 |
| 第9話 | 高屋も眞人の異常性に気が付く。 |
心理変化の軌跡(分析)
| キャラ | 心情の変化の要点 |
|---|---|
| 紗雪 | 眞人に片思い → 実は両想い → 幸せ |
| 眞人 | 紗雪への独占衝動 → 実は両想い→ 涼夏に嫌われなんとかしたい |
| 涼夏 | 姉大事、眞人ヤバい → 二人に別れてほしい → 高屋に頑張ってほしい |
| 高屋 | 紗雪に片想い → 諦め → 涼夏に協力 →眞人のヤバい一面を知る→ 次の行動の余白 |
本作の魅力
この物語が描いているのは、ただの両想いではありません。
“好き”の温度が少しずれるだけで、触れ方も、言葉も、痛みさえ変わってしまう ―― そんな心の距離に思います。
「好き」の温度差が生むすれ違いのリアル
かたや学生時代のノリ、かたや言葉の裏を探ってしまう社会人のノリ。
本作はそれをヤンデレ殺しとヤンデレというキャッチ―な言葉に変換して、さらに極端にしたような形。
リアルにありそうで共感しやすいのが魅力に思います。
TLらしい濃密な描写も、関係性の変化と連動している
本作の濃密な描写は、ただ刺激を与えるための「飾り」ではありません。
心の距離が近づいたときは甘く、すれ違っているときはどこかぎこちなく。
互いの感情の揺らぎが、そのまま肌に触れる温度として描写に表れているように思います。
こんな人におすすめ
- 執着×両想いの関係が好きな人
- 大人向けの心理描写が丁寧な作品を読みたい人
- 登場人物の視点のズレを楽しめる人
まとめ
『ヤンデレ殺し!!』は、“好き”がどのような形へ変わっていくのかを追いかける物語です。
両想いになったら終わりではなく、そこからやっと始まる「関係の選び方」。
静かで、少し切なくて、でもしっかり心に残るTL作品。


