第8話で生まれた誤解とすれ違いが、言葉として回収される回。
「今から会えませんか?」に対する桃乃の皮肉めいた返事と、その後の沈黙。
夜ではなく“会社”という日常空間で再び交錯する二人の感情が、ラストの強引とも言える告白によって一気に決着へと向かう。
あらすじ(ネタバレ最小)
8話ラストの「今から会えませんか?」という問いは、結局すれ違いのまま終わった。
その後日、会社で再び顔を合わせる桃乃と菊生。
しかしそこに、桃乃を誘う別の男性社員の存在が現れ、菊生の感情は大きく揺さぶられていく。抑えてきた想いは、もう誤魔化せないところまで来ていた。
第9話の見どころ
第9話の焦点はただひとつ。
「想いを伝える覚悟が生まれる瞬間」だ。
すれ違いの正体は“嫉妬と怖さ”
桃乃が8話で返してしまった
「私とはデザート食べてくれないんですね」という言葉。
それは意地でも拒絶でもなく、“傷つきたくないから正直になれなかった感情”だった。
この未消化な気持ちが、第9話全体の緊張感を静かに支えている。
会社という場所で見せた、菊生の強引さ
桃乃が別の男性社員と歩いている姿を見た瞬間、菊生はこれまでにない行動に出る。
人目のある職場で、はっきりと「俺が先に約束している」と割って入る姿は、読者にとっても強く印象に残る場面だ。
これは独占欲ではなく、
「奪われたくない」という切実な感情の表出に見える。
密室で交わされる、遅すぎた本音
会議室のような密室で、菊生はついに「好きだ」と言葉にする。
遠回りばかりだった二人が、ようやく同じ場所で同じ感情を向いた瞬間。
この場面には、派手な演出以上に“時間の重み”がある。
名言・印象的なセリフ
「ずっと先輩だけが好きなんです」
この一言に、これまで積み重ねてきたすべてが詰まっている。
そして桃乃の答えは、言葉ではなく行動で返される。
印象的なのは、桃乃が「ずっとキスしたかった」と、キスという形で答えを返す演出。
肉体関係が先行していたからこそできる、言葉よりも素直で、大人の恋愛らしい余韻を残す選択だったと思う。
読後の感想・考察
正直、この第9話は「完結と言われても納得できる完成度」だ。
告白→即ハッピーエンドではなく、感情が交差した末の“静かな肯定”で締めている点が美しい。
疑問が残るとすれば「菊生はいつどこで桃乃を知ったのか?」という点。
第8話で、桃乃が女子会、菊生が合コンをした飲食店。
これが焼肉屋で、菊生が過去にバイトしていた店というのが9話で明かされた。
焼肉屋でバイトしていた菊生がお客さんとして来た桃乃に一目惚れしたのか?この辺の初対面エピソードも気になるところ。
まとめ
第9話は、『サウナより熱く、桃より甘い。』という作品の核心を凝縮した一話。
すれ違いも、嫉妬も、怖さも、すべてが「好き」という感情に収束していくクライマックス級の回でした。
※第9話の配信は現状コミックシーモアくらいしかやっていませんので注意。



