想いが通じ合ったからこそ、幸せだけでは終わらない。
好きな人と一緒にいたい気持ちと、家族を守りたい気持ち。
紗雪、眞人、涼夏のそれぞれの“愛”が異なる形で交差して、静かに関係がきしむ第8話。
甘さの中に潜む緊張感が、心をじわりと締めつける──そんな回でした。
あらすじ(ネタバレ最小)
紗雪と眞人はお互いの想いを確認し、恋人としての距離に進み始める。
ふたりで旅行を計画するものの、紗雪の妹・涼夏は眞人への警戒心を強めていた。
紗雪は「仲良くしてほしい」と願うが、涼夏は「お姉ちゃんは私が守る」と決意。
そして、涼夏は「私の彼氏も一緒に4人で旅行しよう」と提案する──。
言わずもがな旅行先に現れたのは高屋だった・・・
第8話の見どころ
恋が叶った瞬間から、物語は新しい局面へ。甘さと不穏さのバランスが美しい回でした。
「両想い」になった幸福感の描写が丁寧
紗雪と眞人、どちらも“ようやく手に入れたもの”に触れている表情が柔らかい。
眞人は紗雪の笑顔を見て「守らなきゃ」と決意し、紗雪も「こんな幸福が続いたらいいのに」と思う。
電話越しのプレイにおいてもその気持ちははっきりと伝わり、恋人同士だけが知っている密やかな親密さが印象的。
妹・涼夏の「保護」と「怖さ」が強まる
涼夏は眞人を“危険”と断定している。
「手錠」「睡眠薬」──普通じゃない、と。
彼女の“愛”は、家族を守るためなら手段を選ばないタイプ。
その決意の温度が、眞人の執着と対になるのが面白い。
4人旅行の提案が、物語を大きく動かす
表向きには「みんなで楽しく」だけれど、実際は 監視・介入・対峙 の準備。
さらに“高屋”の影がちらつくことで、恋愛は直線ではなく、複雑な形を描き始める。
「お姉ちゃんは、私が守る。」このセリフの重さが、今回のキーポイント。
読後の感想・考察
今回、強く印象に残ったのは 「幸せの始まりは、終わりの兆しにもなる」 ということ。
紗雪と眞人はやっと両想いになったばかり。
だけど、その幸せはまだとても脆い。
涼夏にとっては「姉を不幸にする存在」だし、眞人にとっては「やっと手に入れた愛を手放したくない」。
どちらも“正しい”し、どちらも“危うい”。
この作品の魅力は、愛が綺麗なだけでは済まされないところなんだよね。
第8話はその核心に、静かに手が触れた回でした。
まとめ
第8話は、「恋が叶った後に始まる、愛の試練の序章」。
甘さと緊張が隣り合うこの感じ、まさに大人の恋愛作品らしい深さ。
次回の旅行回は、高屋参戦で確実に物語が動く回。
優しいだけでも、残酷なだけでもない、複雑な愛の形を味わう準備が必要になりそう。





