『名代辻そば異世界店』に登場する主要キャラクターを一覧でご紹介。
そば一杯に心を動かされる、彼らの“物語”と“魅力”をキャラごとにまとめました。
作品を読み始めたばかりの方も、もう大ファンな方も、ぜひ参考にしてください。
初代雪人(はつしろゆきと)
本作の主人公。元漫画家で、日本での過労生活の果てに異世界転生。与えられたギフトは「名代辻そばを召喚する能力」。
そば屋が好きというより、「名代辻そば」の癒しに救われた経験から、今度は自分が誰かを癒す側になりたいと願う。
異世界でも現代の接客精神を貫き、真面目に“蕎麦道”を貫く姿が感動的。
ハイゼン・マーキス・アルベイル
アルベイル領の領主で、国王の弟という立場。兄と不仲であることが悩みの種。
カケソバを食べ、疲弊した精神に染み渡る味に静かに感動する。
ガッシュ・アダマント
アルベイル騎士団団長で初期の来店者のひとり。食レポ担当のような役回りで、物語のキーパーソンではないが、雰囲気を和らげる存在。
ルテリア・セレノ
フランス人転生者で、4〜5話のメインキャラ。
東京の芸大に通っていたが、休暇中にテロに巻き込まれて死亡 → 異世界転生。
「剣王のギフト」を持つが、異世界が平和すぎて使命感を持てず、失意の中で辻そばと再会。冷やしたぬきそばをすすりながら号泣する描写が名シーン。
その後、辻そば異世界店で働くことになる。
セント・リーコン
登場話:2巻6話
平民から成り上がった実直な青年騎士。
名代辻そばを警護する任務で初来店し、ホウレンソウそばを注文。
それが実家で作っていた野菜“サヴォイ”を思い出させ、家族団欒の記憶とともに涙を流す。過去と食のリンク描写が秀逸。
テッサリア
2巻7話に登場するエルフのギフト研究者。
名目は調査のための訪問だが、完全にファン化。
かけそばを食し、王都の一流レストランより上との評価をするなど、美食家的一面も持つ。
チャップ
2巻8〜10話の主役。ポーター(荷運び)としてダンジョン探索に同行していたが事故で両足を失う。
料理好きで食堂開業の夢を持っていたが絶望する中、ルテリアの紹介で辻そば店へ。
ついに夢に繋がる再出発を切る、ドラマティックな展開に胸を打たれる。
マルス・ウェルカナン・アルベイル
登場話:2巻終盤(10話)~3巻11話
アルベイルに引き取られた子供。父は国王の四男で辺境伯、母はビースト(獣人)。両親の深い愛情に包まれて育つも、大雨の日の馬車事故で2人を同時に亡くし、心に深い傷を負う。
食欲も失い、弱っていく中、アルベイルと名代辻そばを訪れる。店に入った瞬間、カレーライスの匂いが亡き両親との団欒を呼び起こす。一口食べて涙が溢れ出し、悲しみを乗り越え、前向きに生きることを学ぶ。
食事でトラウマに寄り添う描写が、シリーズ屈指の感動回となっている。
ドワーフ族(ヘイディ・ウェダ・ダガット ほか)
登場話:3巻12〜14話
ドワーフたちは王国に属しつつも独立独歩の文化を保つ種族。リーダーであるヘイディは無類の酒好きで、王都納品の帰路に「うまい酒があるらしい」と辻そば店を訪れる。
店を貸し切りにし、仲間とともにビールやカレーライスを堪能。ジョッキや椅子といった店内の造作物にも強い興味を示し、職人魂を持つドワーフらしさを感じさせる描写が光る。
飲食体験を通じて、ものづくりと食の融合が描かれる一幕。
デューク・ササキ
登場話:3巻15話
伝説級の剣士。ブラックドラゴンを一撃で倒すという強者で、剣王ルテリアに興味を持ち、対戦を申し込みに訪れる道中で辻そばを発見。
なんとなく立ち寄って頼んだのは「もりそば」。
実はシリーズ初登場時から存在する基本メニューだが、ここでようやく食レポが描かれる。
シンプルな味に驚き、「敵を斬ることだけが剣の道ではない」と価値観が変わる。
道場でも開くか…と人生の方向まで変わってしまう衝撃の食体験。
まとめ
『名代辻そば異世界店』は、異世界×グルメというジャンルに「人間ドラマ」を加えた作品。
キャラクターたちの背景や感情を知ることで、そば一杯の重みが何倍にも感じられるようになるかもしれませんね。
『名代辻そば異世界店』レビュー・感想も書いています。