ファンタジー世界で食べるのは、スライム?バジリスク?それともドラゴン!?
『ダンジョン飯』は、迷宮攻略と食の融合という異色の切り口で話題をさらったダークファンタジー×異世界グルメの革新作。
シリアスと笑いが絶妙に絡み合うその魅力を、徹底的にレビューします!
あらすじや他情報
迷宮の奥で妹を喰ったレッドドラゴン。
蘇生の望みをかけ、主人公ライオスは仲間たちと再びダンジョンへ挑む――が、金も食料も装備も足りない。
ならば「モンスターを食べながら進むしかない!」
スライム、バジリスク、ミミックにドラゴン……ファンタジー世界の怪物を“料理して食べる”という前代未聞の旅が、今始まる!

作品基本情報
タイトル | ダンジョン飯 |
作者 | 九井諒子 |
出版社 / 掲載誌 | KADOKAWA/HARTA COMIX |
ジャンル | ファンタジー、異世界グルメ、冒険 |
巻数 | 14巻完結 |
アニメ・ドラマ展開 | アニメ化 |
世界観と舞台設定
中世風ファンタジー世界に存在する巨大ダンジョンが主な舞台。
ダンジョンには魔法、モンスター、古代文明の遺物がひしめき、人々は“冒険者”として探索に挑んでいる。
食料も補給もままならぬ環境の中、ダンジョン内で現地調達=モンスター調理して生き延びるというユニークなサバイバル要素が作品の核となっている。
作品の魅力
『ダンジョン飯』は単なるグルメ漫画でも、王道ファンタジーでもありません。
“食”というリアルな営みが、命をめぐる冒険や仲間との絆、種族の価値観すら浮き彫りにしていく…そんな奥行きのある物語です。
ここでは、筆者の感じた魅力をさらに補足していきます。
食材はモンスター!?圧倒的な発想力
ファンタジー世界のモンスターを「食べる」という発想から、どんな調理法が現実的か?どんな味か?どうやって捕まえるか?までを実在の生物学や料理学に基づいて考証している点が特筆もの。
「ありえなさそうで、ありえそう」な絶妙さがクセになる!
レシピやレーダーチャート付きの本格料理
ダンジョン飯で登場する料理は「料理名+必要な材料+摂取できる栄養素」の表記がたいていあります。
まるで料理本を見ているかのように。
もちろん必要な材料にモンスターの部位が必ず含まれるのでリアルでの再現性は0。
上述した「ありえなさそうで、ありえそう」がよく読むと「絶対にありえない」に変わるこのエモさが魅力に感じます。
仲間たちの関係性が絶妙に愛おしい
ライオスのぶっ飛んだ価値観に振り回されるマルシル、理屈屋なチルチャック、哲学的なセンシ――
どのキャラも一面的ではなく、悩みや過去を抱えながら旅を共にしている多面体的な魅力を持っています。
序盤のギャグからは想像できない深い人間ドラマが中盤以降に炸裂。
終盤に向かうドラマの“熱量”がすごい
最終盤では「命とは」「家族とは」「神とは」といった哲学的なテーマに真正面から挑戦。
キャラたちの成長、選択、別れ……すべてが繋がり、納得のいくラストへと着地する物語構成は圧巻です。
序盤のコミカルさとのギャップも、見事な伏線でした。
見どころ・注目ポイント
- 初のダンジョン飯:大サソリと歩き茸の水炊き(1巻)
- レッドドラゴンとの再戦(4~5巻)
- ダンジョンの謎や神話的な展開が一気に進行(10巻~14巻)

こんな人におすすめ
- ファンタジーもグルメも両方楽しみたい人
- 一風変わった異世界作品を探している人
- シリアスとコメディのバランスが好きな人
まとめ
『ダンジョン飯』は、モンスターを食べるという奇抜な設定で読者を引き込みながら、最後は深いテーマと感動で満たされる珠玉の物語です。
ギャグで笑わせ、バトルで燃やし、ストーリーで泣かせるこの作品は、“異世界グルメ”ジャンルの金字塔と言えるでしょう。
未読の方は、ぜひ1巻の“大サソリと歩き茸の水炊き”から味わってみてください!