第3巻は、デスアント討伐から始まり、王都での褒賞、そして新たな仲間フェアリー・フラウとの出会いと、物語が次のステージへ進む巻です。
派手な無双シーンがありつつも、恋人のように距離が近づくトールとカエデ、パン太やフラウとの掛け合い、迷子探しなど、ほっこりする日常描写も充実。
読むほどにキャラが愛おしくなる、そんな癒しと爽快感のバランスが光る内容になっていると思います。
第3巻の収録話と内容紹介(ネタバレかも)


経験値貯蓄でのんびり傷心旅行 3 〜勇者と恋人に追放された戦士の無自覚ざまぁ〜
[著者]奏ヨシキ [原作]徳川レモン [キャラクターデザイン]riritto

- 第12話:デスアント討伐。レベル100近い強敵を相手に、トールは一方的な無双を披露。次々と必殺技を繰り出すデスアントを涼しい顔でかわし、最後は首を一撃で刎ねる圧巻の戦闘。
- 第12.5話:閑話休題。トールとカエデが街デート。かつては親子のような距離感だった二人が、今ではすっかり恋人のような雰囲気に。関係性の深化を感じさせる小休止エピソード。
- 第13話:お待ちかねセイン一行が登場。噂のレアアイテム目当てでダンジョンに挑むが、レベル50近いオーガの群れに敗走。帰還したレベル30冒険者たちに悔しさを募らせ、醜態を晒す。トールとの差がさらに際立つざまぁ回。
- 第14話:トールとカエデ、オークション会場へ。目的はエリクサー出品だが、フェアリーの「助けて」という心の声を受けて救出。レベル30の重戦士フラウが仲間入りし、次なる旅の目的地はフェアリーの隠れ里に決定。
- 第15話:デスアント討伐したダンジョンがトール所有に。レベル5へ成長し、セインが苦戦していた場所であることが示唆されざまぁ感が倍増。フラウとパン太の掛け合いもほっこりポイント。
- 第16話:旅の合間の何気ない日常。食事や買い物、迷子探しなど。モンスター討伐もありつつ、カエデとトールの関係がさらに親密に。
登場人物の動き・印象(3巻)
- トール:デスアントを圧倒する無双ぶりで実力を見せつつ、日常ではカエデへの優しさやフラウ救出など温かい行動が目立つ。
- カエデ:トールとの距離がますます近づき、デートや迷子探しでの献身など、癒しのヒロインとしての魅力が強化。
- フラウ:新たに加わったフェアリー重戦士。パン太とのコメディ掛け合いが旅に和やかさを添える。
- パン太:相棒のフラウ登場で出番が増えた。言葉は喋らないがフラウとの意思疎通はでき、仕草や表情にほっこり。
- セイン一行:嫉妬と策謀で右往左往。格差が広がることでざまぁ描写がさらに映える。
主な見どころ・印象に残った展開
個人的に思う3巻の見どころは以下。
圧倒的な無双シーン
序盤のデスアント戦は、緊張感よりも“格の違い”を見せるシーン。
強敵を寄せ付けないトールの姿は、まるで主人公最強系漫画のような爽快感たっぷりで読んでいてスカッとします。(12話)
また、デスアント討伐後、アルマン国王から7億の賞金と英雄の称号を授与される場面で、漫遊旅団の存在感がグッと上がります。名実ともに“只者ではない”旅人パーティに。(12話)
恋人のように進展するトールとカエデ
12.5話や16話でのデート、服を貸すなどの何気ないやり取りが、二人の距離感をじんわり縮めていきます。
派手な戦闘より、こういう小さな積み重ねが心に響く巻です。
新キャラ・フラウの加入
フェアリーでありながら重戦士というユニークなフラウが仲間入り。
パン太とのコンビもほっこりポイントで、日常シーンに楽しみが増えました。(14話から加入)
逆にロー助どこいった?
じわじわ効くざまぁ描写
13話・15話で描かれるセイン一行の凋落。
レアなアイテムが取れると噂のダンジョンに挑戦するセイン一行だったが、レベル50付近のオーガの群れに敗走。
その直後に「いや~今回もいいものを手に入れたな。楽勝だったぜ。」と意気揚々と帰還してくるレベル30代の冒険者達。この対比が面白いです。(13話)
しかもこのダンジョンはトール所有のダンジョンでよりざまぁ感が際立ちます。(15話)
まとめ
第3巻は、強さの爽快感と日常の癒しが最も上手くかみ合った巻。
派手な戦闘も、キャラ同士の心の距離が近づくエピソードもどちらも楽しめるのが魅力。
しみじみとキャラに愛着が湧く、シリーズ中でも読後感が格別な一冊です。
次巻はいよいよ新天地フェアリーの里に挑む・・・