魔王を倒したのに元の世界に戻れない――。
突きつけられた理不尽に勇者ショートが選んだのは、王国を捨てて「スローライフ」を始めることでした。
1巻はオーガ親子との出会いを軸に、のんびりした生活が描かれるコメディ寄りの導入巻。勇者としての重責から解放され、新しい暮らしを模索するショートの姿が印象的です。
1巻の収録話と内容紹介
1巻は1~5話までを収録。
- 1話
魔王を倒した勇者ショートは、ハジメーノ王国から「元の世界には戻れない」と告げられる。王女との結婚も拒み、王国をあとに。川で出会ったオーガ親子に誘われ、スローライフを始める決意を固める。 - 2話
オーガ親子の家で薪割り、食事、風呂といった日常を送る。お風呂シーンではお約束のコメディ展開も。 - 3話
川で水汲みを手伝いながら、カトリナのシチューを堪能。パンと一緒に食べたいと思ったショートは、畑作りを始める。 - 4話
種芋を分けてもらい、ジャガイモ栽培に挑戦。畑が充実してきた頃、イノシシを仕留める。 - 5話
イノシシは肉・毛皮・脂など余すことなく活用可能と知り、スローライフの可能性を実感。余りを村で物々交換しようとするが、人間はオーガを見下す態度。見かねたショートが勇者パンチで一喝する。
登場人物の動きや印象
- ショート(主人公・元勇者)
勇者として魔王を倒したが、帰還できない事実に直面し、自由を求めてスローライフを選択。王国に縛られず、自分で暮らしを築こうとする姿に新しい一面が見える。 - カトリナ(オーガ娘)
純真で明るい性格。ショートとのやり取りにはコメディ要素が多く、物語を和ませる存在。料理や生活力も高い。 - ブルスト(オーガ父)
豪快だが面倒見のいい父親。ショートをあたたかく迎え入れ、暮らしの知恵を授ける。 - 人間の村人たち
オーガを下に見る差別意識が描かれる。ショートがどう関わっていくのか、今後の展開を期待させる要素。
1巻の見どころや印象に残った点
1巻は勇者ショートが新たな生活を始める「スローライフ導入編」として、のんびりした日常とちょっとした出来事が描かれています。
大きな事件はないものの、勇者としての立場を捨てたショートの選択や、オーガ親子との交流、畑作りや狩猟といった生活の描写が見どころです。ここでは特に印象に残った点をピックアップしてご紹介します。
勇者の「まさかの選択」から始まる物語
魔王討伐後に王国を去り、自由を選ぶショートの姿は定番を裏切る展開。
異世界スローライフへの導入としてユニークで痛快です。王様や王女たちが腹黒く、今後も物語に関わってきそうな気配あり。
畑作りと狩猟――リアルなスローライフ描写
ジャガイモ栽培やイノシシ解体など、生活の工夫が細かく描かれており「暮らしを作る」実感が楽しめます。
オーガ親子との交流の温かさ
偏見を持たずにオーガと共に暮らすショート。人間社会とは対照的に、親子とのやり取りには温かみとユーモアがあります。
まとめ
1巻は勇者ショートがスローライフを始めるまでの導入編。事件らしい事件はなく、牧歌的でコメディタッチな日常が中心です。
パン作りを目標に据えたり、オーガ親子と絆を深めたりと、肩の力を抜いて楽しめる内容。ラストに差別的な村人との対立が描かれ、次巻以降での人間社会との関わりがどう展開するのか期待が高まります。
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