魔族戦後、かつての仲間ネイを救ったトールたちは、平穏な旅と小さな観光を楽しむ一方、セインに関する驚愕の真実を知る。
これまで無関心だったトールの意識が、ついにセインへと向かう第5巻。
エルフの里や塔探索など、スローライフと冒険のバランスが光るエピソード集。
第5巻の収録話と内容紹介(ネタバレかも)


経験値貯蓄でのんびり傷心旅行 5 〜勇者と恋人に追放された戦士の無自覚ざまぁ〜
[著者]奏ヨシキ [原作]徳川レモン [キャラクターデザイン]riritto

- 22話:魔族戦で瀕死だったネイを救出。洗脳されていたことが判明し、トールが初めてセインに怒りを向ける。ネイは洗脳解除後、自らの過ちを悔い自殺を考えるが、トールが「奴隷」という形で生かす道を提示。
- 23話:日常回。街でネイの服を買い、プールで遊ぶ癒し描写。ネイは故郷に帰り、トール一行を離脱。
- 24話:ソアラとリサも洗脳されていると知り、セイン討伐を決意し首都へ向かう。道中、雑魚戦でカエデ・フラウの高レベルが判明。観光目的で立ち寄ったパッタン村でエルフ支配下の塔を発見。
- 25話:塔に近づいたトールたちを警告する女エルフ・アリューシャ登場。誤解から戦闘になるが、あっさり無力化。塔探索の条件として中の開錠を依頼される。
- 26話:トールがピッキングで塔を開錠。中には大量の使い捨て魔法スクロールと転移魔法陣。場面転換し、セインは王から叱責&「エルフ捕獲&魔王六将軍討伐」という無理難題の任務を課される。
- 27話:トールたち退去後、エルフ里に来たセインがアリューシャに圧倒され任務失敗。時系列が戻り、塔開錠に驚愕するエルフ長や、トール一行が観光へ向かう場面で締め。
登場人物の動き・印象(5巻)
- トール
これまで無関心だったセインを、ネイの洗脳事件をきっかけに明確に敵視するように。初めてセインに明確な怒りを抱いた転機巻。
とはいえ旅のスタイルは変わらず、観光やピッキングなど無双+スローライフのバランスが魅力的。 - カエデ
トールとの関係はますます良好。エルフとの交渉でちゃっかり財宝3割を要求するなど、愛らしい抜け目なさも健在。 - ネイ
洗脳解除後、自責で死を望むもトールに救われる。過去の行いと決別し、故郷で畑仕事という平和な道を選ぶのが印象的。 - アリューシャ(女エルフ)
初登場キャラ。トールにあっさり負けるが、セイン相手には圧倒する強さ。ここもざまぁ構造に貢献。 - セイン一行&王
ネイ見捨て事件で王から叱責、課される任務も無理難題。しかもエルフ相手にも惨敗。クズ+無能描写がじわじわ効いてきて、いよいよ破滅フラグが濃厚か。
5巻の見どころ・印象に残った展開
個人的に思う見どころは以下です。
トールの意識の変化とセインの意識
これまでは気ままに旅をしていたトールだが、ネイがセインに洗脳されていたことを知り、明確に敵視するようになります。
両者直接対決の構図が整ってきた印象です。(24話)
一方のセインは、任務に失敗するたびに漫遊旅団を逆恨みしますが、漫遊旅団のリーダーがトールであることを未だに知りません。
ちゃっかり交渉とピッキングのプロ
もともと塔を間近で見学したいという理由でエルフの里にやってきたトール御一行。
見学の条件に塔の扉を開けることを提示されるが、中に財宝があった場合に3割はもらう権利はあると思います。と、ちゃっかり交渉するカエデがやり手で面白かった。
扉をどうやって開けるんだろうかと思っていると、まさかの針金でピッキング。
しかも苦労する素振りもなく簡単に開けていたトールがやり手でこれまた面白かった。(25~26話)
安定のセインざまぁ
セインの自業自得路線はさらに加速。
仲間見捨て&王からの叱責、アリューシャに完敗と「失態→追い詰められ→さらに失態」の負の連鎖が笑えるレベルでした。(26~27話)
王から挽回チャンスをもらったにもかかわらず失敗しもう後がない状態。どうするのか・・・
まとめ
5巻は旅情シーンが多く、ほのぼの癒しが続きつつも、トールがついにセインを意識する転換点となった重要巻でした。
エルフ塔や観光、ネイ救出など日常と冒険の緩急も良く、直接対決のフラグが立ったことで次巻への期待が高まります。
また、名前だけですが2人目の魔王六将軍が登場しました。こちらも物語にどう絡んでくるのか期待できそうです。
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