経験値貯蓄でのんびり傷心旅行 レビュー

異世界で生きる物語
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「役立たず」と追放された男が、実は最強だった!?

経験値を“貯めて返す”という異色スキルで一気にLv300へと覚醒した元パーティメンバーの冒険者・トール。彼の旅路は、ざまぁだけじゃない。癒しあり、成長あり、仲間との絆もあり――。

異世界を気ままに旅する新感覚ファンタジーの魅力をたっぷりご紹介します!

あらすじ(ネタバレ最小)

幼馴染の勇者・セインに恋人を奪われ、Sランクパーティ「白い牙」からも追放されたトール。絶望の底にいた彼だが、突如として覚醒した【経験値貯蓄】スキルにより、一気にLv300の最強冒険者へと変貌する。

過去と決別し、のんびり旅に出たトールは、仲間や人々との出会いを通じてゆるやかに、しかし確実に成りあがっていく。

これは、追放された男が“本当の幸せ”を見つけていく、静かな復讐とスローライフの物語。

作品基本情報

タイトル経験値貯蓄でのんびり傷心旅行
原作/作画徳川レモン/奏ヨシキ
出版社 / 掲載誌KADOKAWA/電撃コミックスNEXT
ジャンル異世界、ファンタジー、ざまぁ
巻数既刊6巻(2025年8月)
アニメ・映画展開なし

世界観と舞台設定

異世界を舞台にした王道ファンタジーだが、チートスキルによる無双バトルよりも、旅先での人とのふれあいや交流、トール自身の“傷心の回復”がテーマとなっている。

レベルやスキルの概念がしっかりと設定されており、ゲーム的要素が物語の要にもなっている。

作品の魅力

無双とスローライフ、ざまぁの絶妙なバランスで描かれる本作。

基本的に主人公トール視点で物語は進行していくが、ところどころにセイン視点の物語が散りばめられ、それがざまぁのいい味を出していると思います。

仲間に裏切られた男の“本当の強さ”に共感

表向きは「役立たず」とされていたトール。しかし実際は、レベルが上がらない代わりに一気に100倍で返ってくるというチートスキルの持ち主。

そんなトールが、信じていた仲間に裏切られてもなお、前を向いて生きていく姿には共感が持てます。

静かなざまぁの痛快さ

セインたちの悪行に対して、主人公が直接的な報復をしないのが本作の特徴。

しかし、結果的にセインが失敗したり、スキルが効かなかったりする“静かなざまぁ”はじわじわと効いてくる。とくに9話の「なぜダンジョンがないんだぁぁ!」シーンは必見!

仲間との関係性の変化が丁寧に描かれる

カエデ(獣人少女)やマリアンヌ(貴族令嬢)、ウララ(使用人)など、旅を通じて仲間が増えていく中で、トールの心も少しずつ癒されていく。

カエデとの関係性は、最初こそ恋愛よりも親子に近い印象だったが、信頼と絆を積み上げていく過程で徐々に恋愛へと変化した印象。

「経験値貯蓄」というユニークな成長システム

貯めてから一気にレベルアップする“遅れてくる成長”がユニーク。

しかもトールは、スキル経験値貯蓄や魔力貯蓄など、他にも複数のチートスキルを保有しており、序盤から圧倒的な強さを見せる。

追放されるまでは鳴かず飛ばずだったからこそ感じる圧倒的な解放感が、本作の大きな魅力に感じます。

見どころ・注目シーン

  • 追放の真相判明。嫉妬から来る勇者の浅ましさが露呈し、その後のざまぁ展開がより痛快に感じられる伏線となっている。(1巻3話)
  • すでに攻略されたダンジョンに来て絶望するセイン+「誘惑の魔眼」がマリアンヌに効かず、セイン大ショック(2巻9話)

こんな人におすすめ

  • 「ざまぁ系」が好きだけど、過激すぎない展開を楽しみたい人
  • 主人公の“成長と再生”がテーマの作品に惹かれる人
  • スローライフや旅物語、ほんのり仲間との絆を感じたい人

まとめ

追放され、すべてを失ったはずの主人公が、レベル300の力を得て「自分のための人生」を再スタートする物語。

ざまぁの痛快さと、仲間とのスローな旅路、その両方を味わいたい人にぴったりな作品です。