フェアリーの里を目指して旅を続けるトールたちは、辺境の町や不思議な神殿に立ち寄りながら、各地で起こるトラブルを解決していく。
一方、かつての仲間セイン一行も聖剣を求め奔走するが、その行動は次第に暴走気味に。
フェアリーの里やノーザスタルの町で、新たな出会いと試練が待つ第4巻。
第4巻の収録話と内容紹介(ネタバレかも)


経験値貯蓄でのんびり傷心旅行 4 〜勇者と恋人に追放された戦士の無自覚ざまぁ〜
[著者]奏ヨシキ [原作]徳川レモン [キャラクターデザイン]riritto

- 第17話:フェアリーの里へ向かう途中、辺境の街グリジットで聖武具神殿を訪問。トールは防具をあっさり入手しセイン一行との差を見せつける。
- 第18話:フェアリーの里に到着。部外者扱いで襲われるもフラウの仲介で里に入る。ゴーレムの出現で里が危機に陥るが、トールが解決。
- 第18.5話:ゴーレム問題後の閑話休題。フェアリーの里でのんびり過ごすトールとカエデの仲良しシーン。
- 第19話:セイン一行は聖剣を求めノーザスタルの町へ。力みすぎて下品な失態をしつつも聖剣を入手。一方トールたちはゴーレム遺跡で転送魔法陣を発見。
- 第20話:魔族がノーザスタルを襲撃。セインのクズ行動とトールの正義感の対比が鮮明に描かれる。
- 第21話:漫遊旅団VS魔族の決戦。トールが魔族幹部を圧倒し、かつての仲間ネイを救出。トール初の怒り表現と格好いい決め台詞も登場。
登場人物の動き・印象(4巻)
- トール:聖武具神殿で伝説の剣をあっさり引き抜き、頼れる無双ぶりは健在。フェアリーの里の危機をあっさり解決したり、魔族の襲来にもいち早く気付いて駆け付けたりと、ただ強いだけでなく行動力や正義感の強さが際立つ巻です。
- カエデ:聖武具神殿を案内したり、露天風呂でのんびりシーンが描かれたりと、ますますトールとの距離が近くなっていくのが微笑ましい。フェアリーの里でも柔らかな雰囲気で場を和ませていました。
- セイン:相変わらずのクズムーブが健在。聖剣を引き抜けずに撤退した過去や、ようやく抜けたと思ったら力みすぎて下品な失態を犯すなど、読者をざまぁ気分にさせてくれる描写が多め。
- ネイ:セインのパーティの1人。魔族との戦いでセインたちが逃走するために囮にさせられる。
主な見どころ・印象に残った展開
個人的に思う見どころや印象に残った点は以下です。
フェアリーの里のエピソード
部外者として襲われる→フラウの仲介で和解→ゴーレム退治→露天風呂でのんびり、という一連の流れがほっこり。
シリーズらしい癒しと爽快のバランスが良いパートです。(18話、18.5話)
聖武具神殿での“選ばれし者”演出
セインが抜けず、トールがあっさり抜く対比が痛快。(セインもすぐに諦めたわけではなく、24時間くらいずっと引き抜こうとした点が両者の差をより明確にしている。)
武器が防具に変化するギミックもワクワク要素として魅力的。(17話)
じわじわ効くざまぁ描写
セインの「聖剣が抜けない」→「下品な失態でようやく抜く」→「勇者を名乗りながら仲間を囮に逃走」という三段オチのような展開が、じわじわ効いてきます。
運も付けたお下品な展開ですが筆者は嫌いじゃないです。(19話)
魔族襲来&バトルシーン
かつての仲間であるネイが魔族にボコられ、作中では初めてトールが怒りをあらわにします。
また、魔族の幹部であるダームは魔王六将軍の1人ということで、これまでトールが葬ってきた雑魚敵とはやや毛色が違いました。
最後はユニークな決め台詞を決めて絶命。見どころです。(21話)
まとめ
フェアリーの里での癒しと、魔族襲撃での緊迫感。そのどちらも詰まっていたのが4巻でした。
セイン視点のパートも多めで、トールとの対比が面白い巻でもあります。
また魔王六将軍なるものが出てきて、今後の展開も面白くなりそうです。
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