第3巻では、仲間たちを襲う悲劇と、それに立ち向かうダークの怒りが炸裂する。
エリオたちの決死の抵抗、瀕死のミヤの転移、そして「冒険者殺し」と呼ばれる敵カイト&ヤナークとの死闘――
復讐譚としてのテンションが一段と高まり、「無限ガチャ」シリーズのダークな魅力が全開となった巻だ。
3巻のあらすじと内容紹介
第3巻(第15話~第22話)は、冒険者殺しとの遭遇から決着までが描かれる。
ミヤが瀕死の状態でダークの元に転移してくるところから物語は始まる。祈りのミサンガの効果で命をつないだミヤを見て、ダークは怒りを爆発させる。
物語は数時間前にさかのぼり、エリオやギムラ、ワーディ、ミヤの4人が「冒険者殺し」と遭遇するまでが描かれる。圧倒的な力を誇るエルフのカイトの前に、仲間たちは次々と倒れていく。
エリオは最後の力でミヤを逃がし、その想いがダークのもとへと導く。怒りに燃えるダークはカイトとヤナークのもとへ向かい、圧倒的な力でねじ伏せる。
カイトの持つ宝剣グランディウスは「ますたー」の遺物であることが判明し、物語は再び大きな謎へと繋がっていく。
戦いの後、ダークはカイトとヤナークを奈落へ連れ帰り、ギムラとワーディの亡骸を手厚く葬る。
宿で目を覚ましたミヤは仲間の死を知り、静かに涙を流す――悲しみと復讐の連鎖が、次の章へと続く。
登場人物の動き・印象
怒りと冷静さを併せ持つ主人公像がさらに強化された巻。カイトを圧倒する一方で、仲間の死に静かに怒る姿が印象的。
仲間を失いながらも必死に生き延び、ダークに助けを求める。これまで以上に強い絆を感じさせる存在に。
ミヤの兄。ミヤを逃がすために命を懸けた戦士。ダークたちの応急処置により一命はとりとめた。
傲慢なエルフとして登場するが、最後は命乞いに転じる。強者の前での醜態が、エリオと対比して際立つ。
融合種召喚などの卑劣な手段を使うが、実戦では脆く崩れる。敵の小物感をうまく際立たせる役割を担った。
3巻の見どころ・印象に残った展開
第3巻は、仲間との別れと復讐の始まりが交錯する、ドラマティックな展開が詰まった巻。
これまで築かれてきた絆が試され、そして失われる中で、ダークが“怒り”と“覚悟”の両方を見せる。
仲間を失う痛みと、祈りのミサンガの奇跡
瀕死のミヤが、祈りのミサンガの効果でダークのもとへ転移するくだりは、前巻からの伏線を回収する胸熱展開。
仲間の想いが命をつなぎ、物語を再びダークへと引き戻す。ここで描かれる「絆の力」は、復讐物の中にあっても温かさを感じさせる瞬間で見どころ。
ダークVSカイト、圧倒的な実力差
カイトが誇る宝剣グランディウスを素手で粉砕するダーク。
剣士としての誇りを踏みにじられ、土下座までして命乞いするカイトの姿は、これまでの強者イメージを一瞬で崩壊させた。
同じ“敗北”でも、エリオの潔さとカイトの卑屈さ――その対比が見事に描かれている点が印象的だった。
奈落へ――情報の鍵「ますたー」の存在
新たなキーワード「さぶますたー」が浮上し、カイトとヤナークを奈落に連れて行くラスト。
復讐の裏にある真の黒幕、そしてダークの出自に関わる謎が、次巻以降の焦点になりそうだ。
一気に明かされるのか、小出しにされるのか注目しておきたいポイントで印象的。
3巻全体のテーマ・考察
この巻のテーマは「誇りのある敗北と、誇りなき敗北」に思う。
同じ“負け”でも、エリオたちは仲間を守るために命を燃やし、カイトは命惜しさにすがりつく。
この対比こそが、第3巻最大の見どころであり、読後に強烈な印象を残す構図だ。
また、「ますたー」の存在をめぐる伏線が再浮上したことで、物語の大筋が“個人の復讐”から“世界規模の謎”へと拡張していく転換点にもなっていそう。
まとめ
第3巻は、シリーズの中でも屈指の緊張感と感情の振れ幅を持つ一冊。
復讐譚の重み、仲間を思う情、そして圧倒的な戦闘描写――すべてが濃縮されている。
3巻の予告ではいよいよサーシャに復讐していくシーンが描かれていたので楽しみ。





