『とんでもスキルで異世界放浪メシ』第7巻では、物語に大きな彩りを添える新従魔・ドラちゃんが本格登場。
イシュタムの森での異変調査から始まり、クレールの街での神託ラッシュ、そしてドランの街で出会う“ドラゴン狂”ギルドマスター・エルランドと、にぎやかさが一気に加速する巻でした。
旅が広がり、キャラ同士の関係性にも新しい風が吹く第7巻。その内容をまとめつつ、印象的なシーンや考察ポイントを整理していきます。
7巻の収録話と内容紹介
7巻は35話~40話までを収録。
35話
イシュタムの森の調査中、ムコーダの前に小さなドラゴン──ピクシードラゴンが登場。
餃子につられてあっさり懐き、そのまま従魔契約が成立。“ドラちゃん”と命名。
36話
お調子者でよくしゃべるドラちゃんのキャラが明らかに。森の異変は彼の「食べ歩きと報復劇」が原因だったことが判明し、冒険者ギルドへ報告して依頼解決。
37話
報酬待ちの間、クレールで買い物と休息。女神たちからの“神託(=お供え要求)”が止まらず、ムコーダの負担は増すばかり。酒好きの男神の存在も示唆される。
38話
森の依頼の報酬を受け取り、次の目的地ドランへ。道中の食卓ではヴェノムタランチュラを使ったチャーハンが登場。味は好評だが一同「やっぱ肉が良い」で一致。
39話
ドラゴン大好きギルドマスター・エルランドと対面。ドラちゃんに大興奮し、ムコーダは延々質問攻めに。ドラン編の濃いキャラがここで初登場。
40話
アースドラゴンの解体に挑むが、秘蔵のミスリルナイフが折れてしまい作業は中止。ドラゴン肉が食べられずフェルがひどく落ち込む。
その後、“話は聞かせてもらった”と謎の男神が現れ、不穏な空気のまま幕を閉じる。
登場人物の動き・印象
食事が縁でドラちゃんと従魔契約。女神たちの要望がエスカレートしつつあり、精神的にも鍛えられていく巻。
新たな従魔として加入。陽気でよく喋り、旅の空気が一気に明るくなる存在。
戦力としてどう活躍するかは今後の楽しみでもある。
アースドラゴンの肉が食べられないと分かった瞬間、床に転がって落ち込む姿が印象的。
最強の魔獣にも感情の振れ幅があると分かる微笑ましいシーン。
基本的にマイペースで、チャーハンも美味しく完食。スライムは雑食らしいが肉推しの価値観はぶれない。
“ドラゴンマニア”という強烈な個性で作品に新風。ゲストキャラとは思えないムコーダの動きをしばらく掻き回しそうな存在感。
7巻の見どころ・印象に残った展開
ドラちゃん加入と新しい街での出会いが、旅の雰囲気をさらににぎやかに変えていく第7巻。
特にキャラ同士の掛け合いと、食事がもたらすドラマが多く描かれている。
新従魔・ドラちゃん登場と森の異変の真相
少し抜けていて愛嬌のあるドラちゃん。
美味しい匂いにつられて現れ、餃子だけで従魔契約に至るテンポの良さが本作らしい。
森の異変が“ドラちゃんの食べ歩き”だったというオチも含め、コミカルで読みやすい章構成。
クレールの街で女神たちの要求が加速
神託という名のお供え要求が激しさを増し、ほぼコント状態。
酒を所望したアグニの裏で、別の“酒好きの神”の存在がほのめかされ、後の展開につながる伏線として機能している。
ドランの街&エルランドの濃すぎるキャラ
ムコーダを見る目が完全に「ドラゴン好きの人間のそれ」。
質問攻め、テンション爆上がりの解体シーンなど、出るだけで空気が変わるキャラ。
ここからドランの街編が本格始動する期待が高まる。
フェルの“しょんぼり”が刺さる
戦闘も強さも圧倒的なフェルが、ドラゴン肉を食べられないと分かった途端に項垂れるギャップ。
読者としても思わずクスッとしつつ、牛丼を無言でモグモグするシーンはフェルにも可愛げがあると再確認できる名シーン。
7巻全体のテーマ・考察
第7巻の大きな軸は「仲間の増加による旅の拡張」と「神々の存在感の強まり」。
ドラちゃん加入でパーティのバランスが変わる一方、女神たちの要求はエスカレートし、最後には男神の姿まで描かれる。
“神々の勢力図”や“ムコーダの加護の広がり”といった、今後のストーリーに関わる要素が動き始めた印象だ。
また、クレール→ドランという街移動により、物語のスケールが自然に広がっていく巻でもある。
街ごとに新しい人物が登場し、世界観をより厚くしている点も注目ポイント。
まとめ
第7巻は、新従魔ドラちゃんとエルランドの登場によって、旅が一段と華やぎ、読者としても“新章への移行”を感じさせる構成でした。
コミカルな掛け合いが続く一方、最後に男神が現れることで緊張感も生まれ、次巻で神々がどのように関わってくるのか期待が膨らみます。
食事で仲間が増え、出会いで物語が広がる──
本作の魅力がよく表れた1冊といえるでしょう。


