第5巻は、“金貨5000枚級の討伐報酬”と“新女神3人の乱入”という二大トピックが一気に押し寄せる、メリハリの強い巻でした。
冒険者ランクがCへ昇格し、料理・商売・神界ドタバタ劇と、ムコーダの日常はますますにぎやかに。
終盤にはワイバーン襲来という大規模な危機もあり、フェルがイケメンぶりを発揮する読んでいて非常に楽しい巻でした。
5巻の収録話と内容紹介
5巻は23~28話を収録。
23話:ミスリルリザード判明&G→Cランクへ昇格
メタルリザードが実は“ミスリルリザード”だったことが判明し、ギルドは騒然。
報酬は金貨5000枚クラスという規格外の待遇で、ムコーダは冒険者ランクCへ昇格。
その日のメニューはブラッディホーンブルのステーキ+ステーキ醤油。フェルがついに“味にうるさい美食魔獣”の片鱗を見せ始める。
24話:新女神3人(キシャール・アグニ・ルサールカ)登場の神界ドタバタ劇
ニンリルだけ甘味を独占してズルいと、新女神3人がニンリルの前に乱入。
キシャール(水)、アグニ(火)が強引に加護を付与。
しかし水の女神ルサールカだけムコーダに適性がなく号泣する事態に。
最終的にスイに水魔法の適性があることが判明し、スイに加護を付与して解決。
25話:加護の力を試す&ロックバードカツ南蛮バーガー
スイの水魔法は“大木を倒す”レベルの高威力。ムコーダの土・火魔法も底上げされ、加護の強さが明確に。
食事はロックバードカツ南蛮バーガー。フェルは酸味に警戒するも、一口で虜になり何個も追加。
26話:料理の作り置き&合い挽きハンバーグ
報酬の最終調整で暇な日が続き、街中でネットスーパーが使いづらい事情もあり、作り置き料理を大量生産。
ブラッディホーンブル×オークジェネラルのチーズ入り合い挽きハンバーグはフェルとスイから大絶賛。
翌日は久しぶりに商人として石鹸・シャンプーを売る計画を立てる。
27話:ランベルト商会と商売サイドの充実回
ブラックサーペントの皮を届けつつ、石鹸・シャンプー販売の相談へ。
ランベルトの奥さんが試供品を大気に入り、一気に商談成立。
途中、ランベルト商会の使いの少年と一緒に食べる「オークジェネラル味噌漬け丼」が微笑ましいアクセントに。
28話:石鹸大人気&報酬確定→ワイバーン襲来へ
石鹸とシャンプーは女性客に爆売れ。
ミスリルリザードの報酬も正式に決まり、ムコーダは“風呂のある生活”に夢を膨らませる。
そこにワイバーン襲来の知らせが入り、街は非常事態に。冒険者が多数負傷し、スイの上級ポーションで応急処置。
フェルは「肉がうまいから」という理由で討伐を買って出る。
登場人物の動き・印象
- 冒険者ランクCへ昇格し、正式に“高難易度討伐をこなせる冒険者”の仲間入り。
- 神界との接点が増え、彼の存在がより特別になってきた印象。
- 商売能力の高さも健在で、この世界の生活インフラを変えていく勢い。
- 食に対するこだわりが急成長中。
- 酸味料理への“警戒→大好物化”の流れはもはやお約束。
- ワイバーン討伐へ名乗りでるも、結局は「肉目当て」というブレないスタイル。
- 水の女神の加護を得て魔法の幅が大きく増加。
- 大木を倒す威力を見せ、“戦闘能力の高さ”が再確認された巻。
- ニンリルに負けないキャラの濃さで、神界パートの楽しさが一気に倍増。
- 今後の“お供え物”争奪バトルがにぎやかになりそうな布石。
5巻の見どころ・印象に残った展開
ムコーダの日常が“神界の思惑”と“商売の拡大”によって、大きく動き始めた巻でした。
コメディから料理、ちょっとした経済活動、そして終盤にはワイバーン襲来と、非常にテンポの良い構成になっています。
新女神3人登場で広がる神界パート
24話のコメディのキレが抜群。
特にルサールカの「加護を付与できず号泣→スイに付与して即解決」の流れは、シリーズ屈指の神界ギャグ回でした。
神々のキャラがさらに増え、今後のお供え物争奪戦がますます楽しみになる展開。
スイとムコーダの“加護強化”によるパワーアップ描写
水魔法で大木を倒すスイ、火・土魔法の威力が跳ね上がるムコーダ。
戦闘力だけでなく、“生活魔法としての便利さ”も感じられるパワーアップ回。
特にスイの成長は感慨深く、戦闘面でも要所で頼れる存在になっていきそう。
商売サイドも大活性化。石鹸・シャンプーが世界観に食い込む
石鹸・シャンプーという“異世界に革命を起こすアイテム”がついに市場へ。
ランベルト夫人の反応から見ても、これは大ヒットの予感。
ムコーダの日常の広がり方が、料理だけでなく“生活文化の拡張”へ向かっているのが感じられる。
5巻全体のテーマ・考察
第5巻は「日常の拡大」と「神界の神託お供え合戦」が同時に進む巻でした。
シーサーペント討伐へ向けてランクを上げたはずが、女神の乱入・加護の強化・商売の展開と、予定外のイベントだらけ。
しかしその“寄り道”こそ本作の醍醐味であり、ムコーダの生活圏が少しずつ広がっていく実感を与えてくれます。
特に神界パートは、この巻で一段階ギアが上がった印象。
甘味やらシャンプーやら、彼女らが“何を要求してくるのか”の幅が明らかに広がり、今後のコメディ展開にも期待が高まります。
まとめ
第5巻は、コメディ・料理・商売・冒険と、本作の魅力が満遍なく詰まったバランスの良い一冊でした。
スイの大成長、新女神の乱入、石鹸商売の成功など、生活の豊かさが増していくのを一緒に楽しめる巻です。
ラストのワイバーン襲来で一気にシリアスへ切り替わるのか、その前にサクッと解決か。次巻の展開は必見。
シーサーペント討伐への道のりも含め、今後の展開に期待が膨らむ締めとなっています。


