ついに、奈落と白の騎士団が激突。
『無限ガチャ』第5巻は、シリーズ屈指のバトル密度を誇る一冊です。
1~3階層で繰り広げられる連戦の中で、各キャラの実力と個性が明確化。
そして、4階層では最強同士の激突が始まろうとするところで幕を閉じ、次巻への期待を大きく煽ります。
5巻の収録話と内容紹介
1階層では、メラ&アイスヒートVSニア&キアの魔術戦。格下と侮られた二人の怒りと、圧倒的レベル差による現実が描かれます。
続く2階層では、スズとシャープハットの戦い。軽口を叩く相手にスズが激昂し、普段の無口な彼女が“感情を爆発させる”貴重な回です。
3階層では、ジャックとマストの真っ向勝負。レベル差がありながらも漢気バトルが印象的でした。
そして物語は、4階層――ナズナVSハーディーという最強同士の戦いの火蓋が切られようとするところで次巻へ続きます。
登場人物の動き・印象
ともにレベル7777。
冷静に相手を分析する余裕を見せていたが見誤る。
レベル7777。
基本無言でロックが代弁者。ライトを馬鹿にされて激昂する。
レベル7777。
ただの荒っぽい戦闘狂ではなく、相手の覚悟を尊重する男気を見せたことで好感度上昇。
ともにレベル1800over。
圧倒的な実力差で敗北し命乞いをするも聞いてもらえず。因果応報の一撃をくらう。
レベル2000over。
お調子者で軽薄な印象だったが、スズとの戦いではその軽さが命取りに。地雷を踏んでしまう。
レベル2100。
圧倒的実力差を前にしても媚びることはなかった。しかし主義主張が残念なエルフ。
5巻の見どころ・印象に残った展開
奈落メンバーそれぞれが「自分の力を確かめる」ために挑んだはずの戦いが、皮肉にも圧倒的な実力差が浮き彫りに。
戦いには勝ったが、目的は達成できているのだろうか?静かな余韻が残る巻でした。
圧倒的レベル差の現実──奈落の強者たち
レベル7777のメラとアイスヒートに対し、白の騎士団のニアとキアはレベル1800。
最初こそニアとキアが優勢に見えたが、単に手加減されているだけだった。その差は、努力や技術では埋まらない“絶望”として描かれます。
普段クールなイメージのアイスヒートだが、相手が弱すぎてオロオロしてしまうシーンが印象的。
感情を爆発させたスズの怒り
軽口のシャープハットがライトのことに触れてしまい、スズが激昂。冷静さを取り戻したときには、すでにシャープハットは虫の息。
ライトの「実力を確かめろ」の言葉を反故にしてしまったスズはロックに慰められる。
この慰め時間が戦闘時間よりも長かったというオチ付きで面白かった。
漢気のぶつかり合い──ジャックVSマスト
レベル差が圧倒的でありながら、逃げずに立ち向かうマスト。そして、その覚悟を正面から受け止めるジャック。
この戦いはまるでヤンキー漫画のような熱量を放ち、敵味方の垣根を越えた“魂のバトル”として心に残りました。
ヤンキー漫画であればお互い分かり合って仲間になる展開だが、マストの主義主張がクソすぎて分かり合うことはなかった点が面白かった。
5巻全体のテーマ・考察
第5巻では、「強さとは何か」「正しさとは何か」が静かに試される。
奈落のメンバーは、戦うことが目的ではなく、自分の力を確かめるために戦っている。相手が死なないようにエリーが巨塔を構築したのもそのためだ。
でも奈落メンバーはあまりにも強く、結果的に相手をボロボロにしてしまう。
一方の白の騎士団は、自分たちが正しいと信じている。
けれど、その信じる気持ちの中には「自分たちは特別だ」という思い上がりもあった。そのツケが今、戦いの中で返ってきている。
この巻の戦いは、勝ち負けよりも「自分の行いがどう返ってくるか」を描いているように思った。
静かで、少し切ない“因果の物語”と格好よく締め括ってみる。
まとめ
『無限ガチャ』第5巻は、シリーズ中でも“戦闘描写とキャラ掘り下げ”が最も噛み合った巻。
バトルが連続する一方で、スズやジャックを通じて、奈落という集団が血の通った存在として描かれたのが大きな進展でした。
そして最後の4階層戦、ナズナVSハーディーの開戦直前。いいところで切りよる・・・





