第6巻では、ついに巨塔の中層戦が本格化。
4階では奈落最強・ナズナと白の騎士団最強・ハーディーの激突、5階ではライトとサーシャの因縁の対決が描かれます。
“復讐”という重いテーマのはずが、あまりに圧倒的な力の差に、どこかコメディのように感じられる不思議な巻。
そしてライトが放つ「神葬グングニール」の一撃は、まさにシリーズ屈指のざまぁ展開でした。
6巻の収録話と内容紹介
第6巻(第38~45話)は、巨塔の第4階層と第5階層のバトルを中心に展開します。
前半はナズナVSハーディー。白の騎士団、エルフ最強を自称するハーディーが挑むも、ナズナの一振りで瀕死という圧倒的な実力差。
後半は、ライトVSサーシャ&ミカエル。天使召喚のオカリナ、反射と強化を併せ持つ盾と、チート級アイテムを駆使するエルフ側に対し、ライトは「神葬グングニール」という上位カードで圧倒。
白の騎士団の希望は打ち砕かれ、復讐劇はいよいよクライマックスへと近づいていきます。
登場人物の動き・印象
フォーナイン4姉妹の末っ子。レベル9999
相変わらず無邪気で強すぎる存在。ハーディーを圧倒した後に「手加減しなきゃ」と戸惑うあたり、末っ子らしい天然ぶりが光ります。
フォーナイン4姉妹の三女。レベル9999
ナズナ壁ぶっ壊し事件により、魔力をごっそり持っていかれナズナにお説教するシーンが面白い。
レベル9999
これまで冷静で計算高い印象の強かったライトですが、今回はその内側に潜む“静かな怒り”がはっきりと見えました。
白の騎士団団長。レベル3000over
ハーディーは自他ともに認める「最強」の自負を持っていました。
真面目な顔でキリっと決めるものだから、ナズナにワンパンされたときにはギャグのように感じます。
サーシャの婚約者。白の騎士団副団長。レベル2500over
ライトを倒せば団長を超えられると考えるくらい野心家。
しかし圧倒的な実力差に希望を失っていく姿が悲劇的でもありました。
レベル500
“かつての仲間”としてライトの正体に驚き、動揺を隠せない。プライドと恐怖の間で揺れる彼女の描写は、この巻の人間ドラマとして印象深い部分です。
6巻の見どころ・印象に残った展開
「無限ガチャ」第6巻は、戦闘そのものよりも“圧倒的な力の差を見せつける巻”でした。
ナズナとライト、二人の「奈落側」の存在が、もはや世界の理を超えた次元にあることが示されています。
ここでは印象的な3つの見どころをピックアップします。
ナズナVSハーディー、強すぎてコメディ化する戦闘
序盤の4階戦は、「奈落最強VS白の騎士団団長、言ってしまえばエルフ種最強」という夢のカード。
しかし結果は、ナズナの剣一振り→ハーディー瀕死。再戦してもパンチ一発で決着。あまりに差がありすぎて、読者としては笑ってしまうほど。
シリアスな戦闘シーンなのに、ギャグのようなテンポの良さが妙にクセになる展開でした。
サーシャ&ミカエルのチートアイテム対決
5階戦では、サーシャの「天使のオカリナ」とミカエルの「祝福と天罰の盾」という、いかにも“最強装備”が登場。
一見ライトが不利に思える状況ですが、実際には「それを上回るチート」を繰り出すライトが圧巻です。
召喚された天使たちが一瞬で消し飛ぶ描写や、サーシャの表情が“勝ち誇り→動揺→絶望”と変わるテンポが秀逸。
神葬グングニール、世界の理を壊す一撃
ライトが使用するEXカード「神葬グングニール」は、シリーズの中でも象徴的な武器。
神をも葬るその力は、まさにチートの極み。
ミカエルの盾を粉砕し、サーシャのオカリナを壊すシーンは、ライトの“絶対的な復讐者”としての姿を決定づけました。
そして、白の騎士団全員の屍を前にサーシャが絶望する光景――、壮大な”ざまぁ”もようやく完結か・・・
巻全体のテーマ・考察
巨塔という舞台は、ただの戦闘フィールドではなく、“死ねない復讐の舞台装置”として描かれています。
ライトがサーシャを殺すのではなく、絶望させるためにこの場所を選んだ――そう考えると、彼の復讐は単なる報復ではなく「支配の完成」に近いものかもしれません。
また、奈落メンバーの圧倒的強さが際立つ一方で、もはやバトルが“儀式”のように感じられる不思議な空気感もありました。
この「絶望すらも演出されている」感じが、巨塔構築までに1か月程度かけている入念な準備の賜物であると言えます。
まとめ
第6巻は、巨塔戦の中盤を飾る圧巻のざまぁ回。
戦闘そのものよりも、“奈落と白の騎士団の差、エルフとの差”を見せつけることに重点が置かれており、読後には奇妙な爽快感と静かな恐怖が残ります。
次巻ではいよいよサーシャ編完結までが描かれるはず。
ライトの復讐がどこまでいくのか――その冷徹さがどんな結末を呼ぶのか、期待と不安が入り混じる展開です。





