ドワーフ王国の遺跡探索もついに海エリアへ突入。
壮大なスケールで描かれる第13巻では、ライト一行が未知の海域に挑み、海を覆う巨大スライムや神話級兵器“蛇擬き”と対峙します。
とくに、奈落最強・ナズナがついに本気を出す一戦は必見。神話級武器「プロメテウス」の能力が初披露され、シリーズ屈指のスケールバトルが展開します。
一方、地上ではカヴァーの不穏な動きが続き、人ならざる存在の影が深まっていく……。
13巻の収録話と内容紹介
第13巻(第93話~第100話)は、ドワーフ王国の遺跡探索の続編。
ライトたちは広大な海に浮かぶ島々へ到達し、次なる下層への道を探ります。
その途中、侵入者を排除する守護モンスター「シロナガスオオクジラ」や、海そのものが敵という規格外の「海水スライム」が出現。
メラが副コアを破壊することで辛くも撃退し、一行はさらに下層へ。
しかし、そこに待っていたのは“人造神話級兵器”――通称「蛇擬き」。
ナズナが神話級武器「プロメテウス」を発動させ、摂理を捻じ曲げる超次元バトルが繰り広げられます。
最終話では蛇擬きの“世界からの希薄”という能力の正体が明らかになり、ライトとナズナの連携によって勝勢に。
また地上では、カヴァーが奴隷を買い人間を「食べる」と語るなど、別軸で不気味な動きも描かれます。
登場人物の動き・印象
指揮官としての冷静さが際立つ巻。どんな規格外の敵にも動じず、ナズナに全幅の信頼を置く姿が印象的。蛇擬きの能力を看破し、戦略家的な一面が垣間見えた。
待望の本気戦闘。神話級武器「プロメテウス」を解禁し、摂理を捻じ曲げる能力で分身・再生・無効化を行う圧倒的バトルを披露。奈落最強の名に恥じない存在感。
遺跡内での索敵役としての活躍が際立つ。海水スライム戦では副コアの存在を推測し、戦略的勝利を導いた。ライトからの信頼も厚い。
クジラ戦、海水スライム、蛇擬きとバトル参加多め。相変わらずロックがいないと意思疎通は困難だが、戦闘能力の高さは折り紙付きです。
未知の構造物を前に完全に探求モード。特にダガン王はもはや威厳ゼロの“研究バカ”と化しており、緊張感の中にユーモアを添えている。
地上で暗躍する謎の人物。人間を「食べる」と語り、ナーノに奴隷を届けようとする。遺跡や“ますたー”と関係があるのか、今後のキーパーソンとなりそう。
13巻の見どころ・印象に残った展開
海がスライム、敵は神話級──常識を超えたスケールで描かれる第13巻。
奈落最強・ナズナがついに本気を出し、神話級武器「プロメテウス」を発動。
「摂理を捻じ曲げる」圧倒的な力が炸裂し、シリーズ屈指のバトルが展開します。
一方、地上ではカヴァーが不穏に動き出し、世界の裏で何かが蠢き始める――物語が新たな段階へ突入する一冊です。
ナズナ、本気の神話級バトル解禁
これまで圧勝続きで本領を見せなかったナズナが、ついに覚醒。
神話級武器「プロメテウス」の力を解放し、分身を生み出し、傷さえ“なかったことにする”圧倒的戦闘を展開します。
「摂理を捻じ曲げる」という神話級の能力が、シリーズ全体の世界観を一気に引き上げた瞬間でした。(今後、敵側も使ってくるんだろうなと思いました。)
規格外モンスター、海そのものが敵に
“海水スライム”という発想がすでに狂っている。
海すべてがスライムという概念的モンスターに、メラが副コア破壊という知略で立ち向かう構図が熱い。
このスケールの戦闘を淡々と処理していくライト一行の“慣れっぷり”が逆に恐ろしい。
ドワーフ王たちの探求心が光る
未知の技術を前に目を輝かせるドワーフたち。
危険よりも知識を優先する“職人気質”が物語の緊張を緩め、読者に安らぎや笑いを与える。
特にダガン王のはしゃぎっぷりは、本巻のコメディリリーフとして印象的。
カヴァーの不穏な動き
ライトたちの知らぬところで進行する、地上の異変。
奴隷を購入し“ナーノに届ける”という行動、そして「1匹食べてしまいましょうか」というセリフが人外の存在を示唆。
この裏軸が物語の広がりを感じさせ、次巻以降への不安と期待を煽ります。
13巻全体のテーマ・考察
第13巻は、「神の遺産」と「人ならざる存在」という二つのテーマが交錯する巻です。
海を覆うスライム、レベルを持たない人造兵器、神話級武器――いずれも自然や人間の領域を超えた存在であり、遺跡そのものが“創造主=神”によって造られた可能性が高い。
さらにカヴァーの発言から、地上でも“神側の勢力”が暗躍している気配があります。
この巻を境に、単なる復讐譚から「世界そのものの構造」に迫るSF的な展開が始まった印象です。
まとめ
ナズナの真価、そして“神話級”の世界観がついに姿を現した第13巻。
奈落最強の戦闘と、カヴァーの不穏な言動が物語を二軸で引き締める構成は秀逸でした。
これまで以上にスケールの大きな戦闘と伏線が張られた今巻。
次の階層では、一体どんな“創造主の遺産”が待ち受けているのか。
ライト一行がどこまで神の領域に踏み込むのか――次巻への期待が止まりません。





