【終末のワルキューレ 第3巻レビュー】アダムVSゼウス決着!小次郎参戦で始まる第三戦の行方

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第3巻では、人類代表アダムとゼウスの死闘に決着がつき、胸を焦がす殴り合いがついに終幕。

そして、次なる第三戦へ向けて佐々木小次郎が名乗りを上げる。相手はポセイドン。圧倒的密度の戦闘シーンと、新たな戦士の登場が重なる熱い一冊だった。

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3巻収録話と内容紹介

3巻は10~14話を収録。

10話

アダムがゼウスからダウンを奪取。圧倒的な反応速度と精神力、その源にある“神々への憎しみ”をブリュンヒルデが語る。

過去編では、イヴが冤罪で裁かれ、アダムが妻を守るため自ら楽園を捨てた経緯が描かれ、アダムの戦う理由が「子供たちを守るため」という純粋な動機であることが明かされる。

11話

ゼウスがついに本気を解放し、最終形態「阿陀磨須(アダマス)」へ。凝縮された筋肉から放たれる一撃は神の必殺。

しかしアダムは神虚視で完全対応し、撃ち返し続ける互角の殴り合い。
ただしその負荷により、アダムの身体に異変が起こり始める。

12話

アダムが鼻血を流した理由は神虚視のオーバーヒート。ゼウス側も必殺ラッシュで筋肉が限界。
ほぼ我慢比べの戦いとなる中、ゼウスの血が目に入り視界を奪われた瞬間、ついにアダムが被弾。

それでも観客=子供たちの声に背を押され、最後の撃ち合いへ。
先に膝をついたのはゼウスだったが、アダムはその瞬間すでに立ったまま絶命していた。

13話

人類側は痛恨の2連敗。次戦こそ落とせない状況で、神側はポセイドンを投入。


焦るブリュンヒルデの前に、ひとりの男──佐々木小次郎が静かに名乗りを上げる。
「今が吾が全盛なり」と語る老人の姿は、ただ者ではない気迫を帯びていた。

14話

海水で満たされた新ステージに会場が変貌。
ついにポセイドンVS佐々木小次郎が開幕。


小次郎が剣を振るった瞬間、荒れた水面が静まり返り、観客は老人の只者ならぬ“剣の格”を悟り始める。

登場人物の動き・印象

アダム

ゼウスを追い詰めるほどの実力と、子供たちの未来を守るために戦う父としての強さが描かれた。
勝敗を超えて、人類の希望そのもののような存在感を放った。

佐々木小次郎

初登場ながら強者の気配が濃く、老人ながら「今が全盛」と宣言する自信を示した。
剣を振るった瞬間に会場全体が空気を変えたことが象徴的。

レギンレイヴ(ワルキューレ七女)

アダムと一蓮托生のため死亡。人類側に重い代償がのしかかる。

ゼウス

最終形態「アダマス」を解放し、底知れぬ実力を披露。
アダムの死を前に「我慢比べならお前の勝ち」と語る姿には、敵ながらの敬意が滲んでいる。

ポセイドン

本巻での描写は多くないものの、周囲から「ゼウス級」「神側の大将格」と評される存在。
冷徹で威圧感のある立ち姿だけで、観客もブリュンヒルデも圧倒する“格”を持ち、第三戦が一気に緊張感を帯びる要因となっている。

3巻の見どころ・注目ポイント

本巻最大の見どころは、やはりアダムとゼウスが互いの肉体と精神を限界まで酷使して放つ“純粋な殴り合い”。
技名やド派手な演出よりも、ただ拳をぶつけ続けるという原始的な戦いだからこそ、読み手の胸を刺す。
特に「神虚視」でゼウスの最終形態の一撃さえ見切って反撃するアダムの姿は、人類の底知れぬ可能性を象徴していた。

戦況を左右した“たった一滴の血”

互角の攻防が続く中で、ゼウスの飛び散った血がアダムの目に入り視界を奪う──勝敗を決定づけたのは、ほんの偶然ともいえる一瞬。
この“運命のアクシデント”が戦いの緊張感を最大限に高め、読者に「もしこれがなければ…」という余韻を強く残す。

観客たちの反応による臨場感の高まり

神側も人間側も、観客たちが互いの立場を忘れて戦いに心を奪われていく描写が実に象徴的。
「この瞬間だけは神も人も関係ない」という熱狂が、戦いの価値をさらに引き上げている。
アダムが声援に反応するシーンは、読者も含めて“この戦いの当事者”になったかのような没入感がある。

レギンレイヴの死が示す“一蓮托生”の重み

見た感じメリケンサックは攻撃を受けていなかったが、アダムの死と同時にワルキューレ七女レギンレイヴも命を落とす。
「神器を与える=共に命を預ける」というワルキューレの決意を強調する場面で、人類側の戦いがどれほど重い犠牲を伴うかを改めて実感させるシーン。

3巻の考察・感想

アダムは間違いなく人類代表の中でも最上位クラスの実力者。
ゼウスが最終形態を解放してなお互角に渡り合った事実は大きい。
もし血で視界を奪われるアクシデントがなければ、勝敗は逆となっていた可能性すらある。

また、小次郎の参戦は次巻に向けて期待値が跳ね上がる要素。
武蔵に敗れた“史実”の人物が、今は最強の剣士として戦場に立つという構図がとても魅力的。

まとめ

アダムとゼウスの戦いが一つの頂点を迎え、物語が大きく動いた巻。
人類側にとっては痛恨の2連敗だが、小次郎の存在が新たな希望となる。


第三戦へのワクワク感を最大限に高める、シリーズでも濃密度の高い一冊だった。

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