終末のワルキューレ17巻ネタバレ感想|ベルゼブブの過去とテスラ開戦、科学VS振動

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第17巻は、第8回戦「ベルゼブブVSニコラ・テスラ」の幕開けとともに、ベルゼブブという神の“根幹”に深く踏み込む一冊だ。


悪魔として恐れられてきた存在の裏にあったのは、あまりにも救いのない孤独と自己崩壊の物語。
そして戦いは、魔法でも神威でもない――科学VS振動という異色の構図へと突入していく。

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17巻の収録話と内容紹介

17巻は67話~70話を収録。

67話

ベルゼブブの過去編から始まる。
「蠅の王」「サタンに呪われし者」として忌避され、天界で孤独に生きてきたベルゼブブ。
そんな彼にサマエル、ルシファー、アザゼルの三天使が近づき、初めて“友”と呼べる関係が生まれる。
だがその幸福は長く続かず、ある日ベルゼブブが目覚めると、三天使は無惨な死体となって転がっていた。

サタンの呪いを疑い、復讐を誓うベルゼブブ。
研究の途中で出会ったリリスと共に真相に迫るが、皮肉にも彼自身が“サタン”であることが明らかになる。
愛が極限に達した瞬間、無意識に愛する者を壊してしまう――その呪いの正体に気づいたとき、ベルゼブブは完全に壊れてしまった。

68話

現代に戻り、第8回戦が開幕。
神側ベルゼブブ、人類側ニコラ・テスラが入場し、ド派手なパワードスーツを纏ったテスラが観客の心を掴む。
戦いは序盤から激化し、テスラは神の力を「魔法ではなく科学」と断言する。

69話

ベルゼブブの能力が明らかに。
振動を自在に操る力「悪魔の羽ばたき(バルミュラ)」による圧倒的破壊力に、テスラは防戦を強いられる。
それでもテスラは冷静に、科学の力で反撃を開始する。

70話

ベルゼブブの神器「アポミュイオスの杖」が登場。
攻防一体の振動特化スタイルに対し、テスラはついに“世界”そのものを作り替える一手を打ち、戦いは次巻へ持ち越される。

登場人物の動き・印象

二コラ・テスラ

闘士というより研究者。
神の力すら観察対象として捉え、恐怖より好奇心が勝っている異端の人類代表。
絶望的な状況でも一切ブレない姿勢が、この戦いの“希望”を担っている。

ベルゼブブ

恐怖と悪意の象徴だった存在が、一転して“壊れてしまった神”として描かれる。
誰かに殺されることを望みながらも、弱者に討たれるつもりはないという歪んだ矜持が印象的。
戦闘でも感情を排し、淡々と相手を壊しにいく姿が、その内面をより際立たせている。

17巻の見どころ・印象に残った展開

17巻は、感情と理論、絶望と希望が真正面からぶつかる“仕込みの巻”。
バトルの派手さだけでなく、思想と生き様の衝突が強く印象に残る。

ベルゼブブの過去があまりにも重すぎる

友を得た瞬間にすべてを失い、愛した者を自らの手で壊してしまう。
サタンという“敵”を追い続けた末に、自分自身がその正体だったという残酷さ。
この過去を知ったうえで現在のベルゼブブを見ると、彼の冷酷さが単なる悪意ではないことが痛いほど伝わってくる。

科学VS振動という異色すぎる対決構図

神の力を「科学だ」と言い切るテスラの姿勢が爽快。
振動という根源的な破壊力に対し、理論と技術で挑む構図は、これまでの神話バトルとは一線を画している。
魔法でも奇跡でもない、“理解しようとする姿勢”そのものが武器になっている点が面白い。

テスラの異常なまでの前向きさ

致命傷寸前でも能力に感嘆し、ベルゼブブに神器を貸してくれと頼む余裕。
恐怖を超えた探究心は、人類が神に抗うための最大の強みなのだと感じさせられる。
この男が人類代表である意味が、戦いを通してじわじわと浮かび上がってくる。

17巻全体のテーマ・考察

17巻のテーマは「壊れた神」と「進化する人類」の対比だろう。
ベルゼブブは、愛と孤独の果てに自壊し、生きる意味を“死”に求める存在になってしまった。
零福に波旬を植え付けた行為も、自分を終わらせてくれる存在を探す延長だったのかもしれない。

一方テスラは、神を倒すことよりも、理解し、超えようとする。
ただしベルゼブブ自身が語るように、「弱い者に殺される気はない」。
この戦いは、単なる力比べではなく、どちらの在り方が“次の世界”にふさわしいかを問う戦いになっていきそうだ。

まとめ

第17巻は、バトルの導入でありながら、感情的には非常に重い一冊だった。
ベルゼブブの過去を知ったことで、彼の一挙手一投足が違った意味を帯びて見えてくる。
そして、電気の檻に閉じ込められた世界で「ここでは私が神だ」と言い放つテスラの姿が、強烈な引きとなって次巻へ続く。

科学は神を超えられるのか。
それとも壊れた神は、ついに望み通りの終焉を迎えるのか。
第8回戦は、これまで以上に“思想のぶつかり合い”として加速していきそうだ。

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