終末のワルキューレ25巻ネタバレ感想|シモ・ヘイヘVSロキ、優しき者同士の激突

熱くなれるバトル&冒険系
本記事はプロモーションを含みます

ついに始まった11回戦、人類史上最強のスナイパー・シモ・ヘイヘと、神界最強のトリックスター・ロキの対決。
雪降るフィンランドの森という特殊な舞台で描かれるのは、単なる能力バトルではなく、「心の痛み」を背負った者同士の戦いだった。

チート級能力の応酬、そして両者の過去が明かされることで、勝敗以上に「どちらにも負けてほしくない」という感情が強く残る一冊である。

『終ワル』巻ごとレビュー一覧

第1巻|▶第2巻|▶第3巻|▶第4巻|▶ 第5巻|▶ 第6巻|▶第7巻|▶第8巻|▶第9巻|▶ 第10巻|▶ 第11巻|▶第12巻|▶第13巻|▶第14巻|▶第15巻|▶第16巻|▶第17巻|▶第18巻|▶第19巻|▶第20巻|▶第21巻|▶第22巻|▶ 第23巻|▶第24巻|▶第25巻(この記事)|▶第26巻|▶全巻まとめ

25巻の収録話と内容紹介

25巻は第99話~第103話を収録。

第99話

シモ・ヘイヘVSロキが開戦。
戦場は雪が降り続くフィンランドの森。外界と遮断された神の力によるフィールドで、刻一刻と天候すら変化する特殊な舞台だ。
このフィールドを希望したのは意外にもロキ。神界最強のトリックスターとしての余裕すら感じさせる登場となる。

第100話

ロキの能力が本格的に明かされる。
「道化師の環」による万物複製、そして神器「増殖する指輪」による無限増殖。トール、オーディン、ヘラクレスすら複製し、大軍でシモ・ヘイヘを追い詰める。
しかし、その大軍はたった一発の銃声によって壊滅する。

第101話

その一発の正体が謎として提示される。
釈迦とブリュンヒルデの会話から、シモ・ヘイヘの弾丸が常識外の存在であることが示唆され、やがて明かされる真実は、あまりにも重い代償だった。

第102話

シモ・ヘイヘの過去が描かれる。
白い死神と恐れられた英雄の裏にあった、眠れぬ夜と心の傷。彼がなぜ“臓器を代償にする弾”を撃てるのか、その理由が語られる。

第103話

ロキの過去へ。
狡猾さでも悪意でもなく、ただ一人の女性の笑顔を求めた結果が、トリックスター・ロキを生み出したことが明らかになる。
そして、額を撃ち抜かれたロキ。――まだ闘いは続く。

登場人物の動き・印象

シモ・ヘイヘ

寡黙なスナイパーという印象から、「心の優しさ」を強く感じさせる人物像へと変化。
人を撃つ痛みを誰よりも理解しているからこそ、自らを傷つける弾丸を選ぶという在り方が胸に刺さる。

ロキ

これまでの狡猾で腹黒い神というイメージが大きく更新された巻。
その行動原理は驚くほど純粋で、どこか不器用な“思春期男子”のようにも見えてくる。

25巻の見どころ・印象に残った展開

能力のインフレ合戦に見えて、その実、描かれているのは心の奥底。
25巻は、バトルの派手さと心理描写の深さが高次元で融合した一冊だ。

雪原を支配するロキの複製能力

触れたものを無限に複製できる「道化師の環」は、まさにチート級。
しかも力を“分散できる”という性質を利用したロキの戦術は、ロキらしい狡猾さを感じさせる。

たった一発で覆る戦況

数で圧倒するロキに対し、シモ・ヘイヘは一発の銃弾でほぼ全滅させる。
量と質、神と人――そのすべてを否定するような展開が圧巻だった。

臓器を代償にする弾丸の真実

弾丸の正体が自らの臓器であると明かされた瞬間、物語の温度が一段階下がる。
それは力の代償ではなく、贖罪としての痛みだったという解釈があまりにも切ない。

ロキの過去がもたらす印象の反転

ブリュンヒルデの笑顔を見たい――それだけの理由で世界を引っ掻き回してきたロキ。
悪戯の裏にあった動機を知ったことで、彼を見る目は確実に変わる。

25巻全体のテーマ・考察

25巻のテーマは「優しさゆえの歪み」だと感じた。
シモ・ヘイヘは優しすぎるがゆえに自らを罰し続け、ロキは優しさを向ける先を間違え続けた。

どちらも悪ではないからこそ、この戦いはあまりにも残酷だ。
勝者が生き残り、敗者が消滅するという展開が、これほどまでに冷たく感じられる巻も珍しい。

まとめ

派手な能力バトルの裏で、ここまで感情を揺さぶってくるとは思わなかった25巻。
読み終えたあとに残るのは、興奮よりもむしろ静かな痛みだ。

ロキは本体をまだ見せていない。
シモ・ヘイヘは、次に何を代償に撃つのか。
優しい者同士の戦いが、どんな結末を迎えるのか――次巻が待ち遠しくてたまらない。

『終ワル』巻ごとレビュー一覧

第1巻|▶第2巻|▶第3巻|▶第4巻|▶ 第5巻|▶ 第6巻|▶第7巻|▶第8巻|▶第9巻|▶ 第10巻|▶ 第11巻|▶第12巻|▶第13巻|▶第14巻|▶第15巻|▶第16巻|▶第17巻|▶第18巻|▶第19巻|▶第20巻|▶第21巻|▶第22巻|▶ 第23巻|▶第24巻|▶第25巻(この記事)|▶第26巻|▶全巻まとめ