終末のワルキューレ10巻ネタバレ感想|雷電が全力解禁!シヴァとの死闘が決着

熱くなれるバトル&冒険系
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神と人類、両者の誇りと覚悟が極限までぶつかり合う――。
第10巻では、ついにシヴァVS雷電為右衛門の死闘が決着を迎える。
漢と神、互いに“背負うもの”を懸けた、あまりにも熱く、切ない一戦が胸を打つ一巻だ。

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10巻の収録話と内容紹介

10巻は38~41話を収録。

第38話

シヴァと雷電の激突は後半戦へ突入。
シヴァはインド神界の秘宝とも称される“必殺武踊”を発動。ステップを刻みながら連撃を叩き込む異質な攻撃に、雷電は防御一択となる。


両腕に筋肉を集め「肉の盾」で耐える雷電だが、シヴァの猛攻は止まらず、ついには身体が“超燃焼”を起こすほどの連続攻撃に発展。
雷電の身体がえぐられ、焼き切られるほどの凶悪な一撃を受け、誰もが敗北を確信する状況に追い込まれる。

第39話

絶体絶命の中、雷電は笑ってみせる。「おめったいのう」と。
ここで語られるのが、雷電の過去――本名・太郎吉の少年時代だ。
強すぎる力ゆえに“化け物”と恐れられ、母から「その力は弱い者のために使いなさい」と諭されて育った優しい少年。


飢饉に苦しむ故郷を救うために相撲の道へ進み、雷電為右衛門として圧倒的な強さを誇るも、相手を壊さぬために“わざと負ける”選択をし続けた半生が明かされる。
そして現代――ついに雷電は、シヴァに対して“封じていた相撲”を解禁。全力の掌底が放たれる。

第40話

雷電の本気の一撃は、シヴァの腕を2本吹き飛ばすという衝撃的な結果を生む。
しかしその反動は雷電自身も深く蝕み、身体はすでに限界寸前。
それでも雷電は戦うことをやめない。“全力を出せる喜び”が恐怖を上回ったのだ。


一方のシヴァも、観客席に現れた親友・ルドラの存在を前に、負けられぬ覚悟を固める。
自らの心臓に指を突っ込み、強制的に心拍を引き上げるという狂気の決断で、限界の向こう側へ踏み出す。

第41話

互いに命を削り合う最終局面。
次の一撃が最後になると悟り、両者はすべてを込めた攻撃を放つ。
雷電は片腕を失い、ついに敗北を認める。


最後はシヴァの蹴りで首を吹き飛ばされるが、雷電は最後の最後まで膝をつかなかった。
力士としての誇りを貫き通したその姿を残し、勝者・シヴァの名が刻まれる。

登場人物の動き・印象

雷電為右衛門

これまで“力を抑えてきた力士”という印象だった雷電が、ついに全力を解禁。
過去の優しさ、恐れ、葛藤をすべて背負いながら、それでも本気で戦う姿は、単なる豪傑ではなく“悲しき英雄”のようにも映る。

シヴァ

武闘派の神としての圧倒的強さに加え、親友ルドラの存在が彼の精神面を大きく支えた。
ただの破壊神ではなく、1116柱の頂点としての覚悟が際立つ巻となった。

10巻の見どころ・印象に残った展開

第10巻は、単なる勝敗を超えた“生き様のぶつかり合い”が心を打つ展開の連続だ。
雷電とシヴァ、どちらの覚悟にも一切の嘘がなく、読後に深い余韻を残す。

雷電の過去と「力を封じた理由」

雷電がなぜ相撲技を使わなかったのか、その理由がここで完全に明かされる。
“強すぎるがゆえに誰かを傷つけてしまう”という悲しみと、母の教えに縛られた人生は、あまりにも切ない。

ついに解禁される雷電の全力相撲

封じていた技を解放し、シヴァの腕を吹き飛ばす掌底は本巻最大の見せ場。
これまでの溜めがあるからこそ、ここでの一撃の重みと爽快感は格別だ。

筆者はあまり相撲を知らないが、鉄砲と呼ばれる日々の基礎+スルーズの筋肉完全制御により音速の掌底になった。

最期まで膝をつかなかった力士の誇り

勝敗は決したものの、雷電は最後まで“力士”であり続けた。
首を吹き飛ばされても倒れない姿には、静かな感動すら覚える。

また、そんな男だからこそスルーズも最後まで添い遂げたのだろう。

10巻全体のテーマ・考察

この巻のテーマは、「力とは誰のために使うものか」だと感じた。
雷電は故郷と弱者のために、シヴァはインド神界と王としての誇りのために戦った。


最期の勝敗は、技やパワーだけではなく、“背負っているものの重さ”が決定打になったようにも思える。
かなり個人的な拡大解釈ではあるが、だからこそこの戦いは、単なるバトルを超えた物語性を帯びていた。

まとめ

第10巻は、シヴァVS雷電戦の完全決着巻として、シリーズ屈指の名勝負が描かれた一冊だった。
全力を出せた喜びと、守り続けた優しさ、そのすべてを抱いた雷電の最期は、勝敗以上の余韻を残す。


神側も人類側も、どちらが勝っても心が揺さぶられる――それが『終末のワルキューレ』の真骨頂だ。
次なる代表は誰になるのか。次巻から始まる新たな戦いへの期待が、自然と高まる締めくくりとなっている。

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