終末のワルキューレ23巻ネタバレ感想|沖田総司とスサノヲ、剣の極致へ

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神と人、どちらが勝つのか。
そう単純な問いでは片づけられないのが、この第23巻だ。

スサノヲノミコトVS沖田総司の一戦は、勝敗が見えた瞬間にひっくり返り、またひっくり返る。
覚醒したと思った次のページで、さらに上の境地が提示される――そんな逆転に次ぐ逆転の連続が、この巻を最後まで緊張感で満たしている。

剣の技量、覚悟、そして“信念”。
両者が命を削りながら、剣士としての頂きを目指す姿が、これでもかと描き切られた一冊だ。

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23巻の収録話と内容紹介

23巻は第91話~第94話を収録。

第91話

スサノヲノミコトと沖田総司の激闘が続く。
スサノヲの奥義「天魔反(あまのまがえし)」を、沖田は一度見ただけで解析。真空の刃の減衰距離を見抜き、受け流し、接近戦へと持ち込む冷静さを見せる。
さらに溜めを必要とする天魔反を撃たせない立ち回りで、沖田が一気に主導権を握ったかに見えた。

しかしスサノヲは、より少ない溜めで放つ「天魔反無間」を繰り出し、流れを引き戻す。
空中回避を読んだ沖田の捨て身の策すら、「天魔反八雲」でねじ伏せ、スサノヲは勝利を確信する。

第92話

沖田総司の過去が描かれる。
近藤勇に引き取られ、“鬼子”として暴走していた幼少期。
「本物の武士とは、信念に命をかけ、最期は笑って散れる者だ」という近藤の教えと、それを胸に刻んだ沖田の約束。
病に倒れ、全力を出せぬまま散った未練が、現代で再び沖田を立ち上がらせる。

ここで明かされる鬼子の正体と、天界だからこそ解放される“沖田の全力”。
死を覚悟してなお前に進む沖田に、スサノヲもまた、己の神生の意味を重ねていく。

第93話

ワルキューレ六女・スカルモルドが初めて本格的に描写される。
鬼子と完全に一体化すれば壊れるはずの肉体を、彼女の能力で維持することで成立する、文字通りの限界超えの戦い。
沖田の連撃は、もはやスサノヲですら防御に徹するしかないほどの速度と圧力を持ち始める。

第94話

勝敗は決したかに見える。
鬼爪三段突き――神速を超え、人と神の境界を穿つ一撃が、神器を砕き、スサノヲを貫く。
だが、それでも終わらない。
追い詰められた果てに、スサノヲは「無装剣」という剣の新境地へと辿り着く。

登場人物の動き・印象

沖田総司

この巻で描かれるのは、“最強”ではなく“本物の武士”としての沖田だ。
鬼子という闘争本能を制御し、信念のために命を賭ける覚悟。
全力を解放した沖田の剣は、技巧や速度を超え、想いそのものが形になったような迫力を持っている。

スカルモルド(ワルキューレ6女)

これまで影の存在だったワルキューレが、初めて戦いの核心に関与する。
彼女の支えがなければ成立しない沖田の覚醒は、人と神とワルキューレの三位一体の戦いを強く印象づけた。

スサノヲノミコト

荒ぶる神という印象から、剣に神生を捧げた求道者へ。
沖田の成長と覚悟を前に、敵でありながら称賛と感謝を口にする姿が印象的だ。
そして土壇場で到達する「無装剣」は、彼が最後まで剣士であり続けた証でもある。

23巻の見どころ・印象に残った展開

第23巻の魅力は、単なるバトルの激しさではない。
剣士としての生き様と、信念がぶつかり合う“頂上決戦”が、段階的に積み重ねられていく点にある。

沖田と近藤勇の約束が導く覚醒

沖田が立ち上がる理由は、復讐でも勝利でもない。
「本物の武士になる」という、たった一つの約束だ。
その想いに気づいた瞬間のスサノヲの表情が、驚きから歓喜へと変わる演出は、この試合の象徴的なシーンと言える。

鬼子の正体と“全力解禁”の重み

鬼子は単なる力の象徴ではなく、沖田が生まれながらに背負ってきた宿命。
それを受け入れたうえで、「それが武士だから」と死を選ぶ覚悟が、沖田の剣を次の次元へと押し上げている。

無装剣という剣の最終回答

手に何も持たず、それでも斬れる。
無双・無想・無装という、どこかギャグめいた名前とは裏腹に、剣を極めた末の静かな恐ろしさがある境地。
最後の最後でここに辿り着くスサノヲの姿は、神というより、一人の剣士そのものだった。

23巻全体のテーマ・考察

第23巻のテーマは、「剣に人生を捧げた者の行き着く先」だろう。

沖田は信念のために命を燃やし、
スサノヲは剣を極め続けた果てに、すべてを削ぎ落とした境地へ至る。

どちらが正しい、どちらが強い、という話ではない。
剣に向き合い続けた者だけが立てる場所があり、そこに至る道は一つではない――そんなメッセージが、この逆転続きの展開の裏に感じられる。

まとめ

「ここで決着だろう」と思うたびに、さらに上を見せてくる。
第23巻は、そんな読者の予想を何度も裏切る一冊だった。

瀕死からの覚醒、そして剣の新境地。
どちらが勝つか以上に、「ここまで描くか」という満足感が強く残る。

まだ決着はついていない。
だが、この戦いが“名勝負”として語られることだけは、すでに確定している。
次巻で迎えるであろう真の決着を、否が応でも期待せずにはいられない。

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