終末のワルキューレ第4巻ネタバレ感想|ポセイドンVS佐々木小次郎、史上最強の“敗者”が神域へ迫る

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第3回戦「ポセイドンVS佐々木小次郎」が本格始動する第4巻。
動かぬ両者から始まる異様な立ち上がり、人類側の“史上最強の敗者”が見せる研ぎ澄まされた観察と成長の力、そして神の中の神・ポセイドンの底知れぬ暴威。
この巻は、シリーズ屈指の「読み合い」と「成長のドラマ」が濃縮された中盤の山場となる。

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4巻収録話と内容紹介

4巻は15~18話を収録。
※話タイトルは筆者が思ったままにつけたもので、実際の話タイトルとは異なります。

15話「静寂の開戦」

ポセイドンVS佐々木小次郎が開幕。しかし両者とも一歩も動かない異様な立ち上がり。
小次郎は頭の中で何度も攻撃を仕掛けるが、すべて返り討ちにあうイメージしか浮かばず、試合開始の短時間で“18回殺された”。


一方ポセイドンは「虫が間合いに入れば叩き殺すだけ」という絶対強者の感覚で静止していただけだった。
ブリュンヒルデによって語られるのは、ポセイドンが12神の中で最も恐れられる存在である理由。
ここで小次郎は不意に地面へ座り込み、奇妙な構えで試合の流れを変え始める。

16話「史上最強の敗者(ルーザー)」

舞台は小次郎の若き日の回想へ。
道場では負け続ける小次郎は「お荷物」と称されるが、実は“負けるたびに勝ち筋を学ぶ”才能を秘めていた。
降参癖は弱さではなく、「敗北を受け入れて次に勝つための学習」として機能していたのだ。
やがて道場に相手がいなくなり、小次郎は“さらに負けるための旅”へ出る。


こうして、史実では無名であり続けた理由が“敗け続けたからこその強さ”として再解釈される。
現代へ戻り、小次郎は「一手ご指南願う」と立ち上がり、「物干し竿(備前長光)」の燕返しで攻撃に転じる。

第17話「千手無双」

フリストが神器錬成し、小次郎の「物干し竿」の正体がワルキューレ次女そのものであることが判明。
ポセイドンが初めて自ら攻撃へ転じ、荒れ狂う波濤のような連撃を放つ。
しかし小次郎はそのすべてを回避。


これは、小次郎が入場時からポセイドンの歩き方・呼吸・まばたきなどの微細情報をすべて観察し、千通りの戦闘パターンを“頭の中で敗北し続けていた”からだった。
これこそ小次郎の能力「千手無双」。
しかし、ポセイドンが突然口笛を吹いた瞬間、小次郎の読みを超える一撃が炸裂。
神と人の格差を一気に突きつける展開となる。

第18話「神の中の神(GOG)」

小次郎を吹き飛ばすほどの強撃を放ったポセイドンに観客からGOG(God of Gods)コールが湧き起こる。
しかしポセイドンは観客を睨みつけ、静かに黙らせる。「神は群れぬ」という思想が明確に語られ、孤高ゆえの狂気と孤独が強調される。


その姿に対して小次郎は「ずいぶん哀しい存在だねえ」と評し、怒ったポセイドンが怒涛の突きを連発。
小次郎は戦いながら進化し、神へ近づいていくが、最後は物干し竿が折られてフリストが絶体絶命。
神器を失い、勝利が絶望的に見えた瞬間、小次郎の言葉とともに折れた刀身が光を放ち、次巻への劇的な引きで幕を閉じる。

登場人物の動き・印象

佐々木小次郎

攻撃を受けながら進化し続ける“成長型剣士”としての魅力がピークに。ポセイドンへの“哀しみ”の指摘は小次郎の人間味と洞察力の象徴にも思えた。

フリスト(ワルキューレ次女)

折られた神器=自身の“死”の可能性が演出される緊迫の展開。ひとつの体にふたつの名が同居するから二刀流になったのか!?

ポセイドン

「神は群れぬ」という信念の描写で孤高の恐怖がより鮮明に。仲間の声援すら嫌う、徹底した個の神。

4巻の見どころ・注目ポイント

第4巻の魅力は、ポセイドンと小次郎の「動かぬ立ち上がり」から「神速の攻防」へと加速する構成美と、“敗北を糧に強くなる”という小次郎のキャラクター性にある。

無の時間が生む緊張感

開戦直後、一歩も動かない両者。しかし理由は全く異なる。
小次郎は開始わずかで「18回殺されたイメージ」を体験し続ける徹底した思考戦。
ポセイドンは「虫けらが間合いに入れば叩き潰すだけ」という絶対視点。
この静の対比により、戦いの異常性が際立つ。

最強の敗者・佐々木小次郎の本質

若き日の“負け続ける修行”エピソードが強烈。
軽い降参癖ではなく、敗北から勝ち筋を探る才能。
あえて敗ける旅に出ることで、史上最高の敗者=最強の観察者が誕生したことが描かれる。

神技の応酬と「千手無双」の開花

歩き方、呼吸、まばたき——
小次郎はポセイドンの些細な動作から千の攻撃を想定し、頭の中で全てを経験してきた。
その結果、神速の突きを回避し続ける「千手無双」が炸裂。
人類側・神側の観客も驚愕する戦闘演出は圧巻。

それすら超えてくる“神の暴威”

ポセイドンが口笛を吹いた次の瞬間、その速さは小次郎の読みを上回る。
読者の予想も物語の積み重ねも、“あっさり超えてくる恐怖”が神の格を強調する。

4巻の考察・感想

「敗北の価値」と「孤高の強さ」

この巻は、佐々木小次郎とポセイドンという“真逆の強さ”を持つ二人が、静と激の対比を通じて描かれる。

  • 小次郎:敗北を蓄積し、他者から学ぶ“受容の強さ”
  • ポセイドン:絶対者として誰も寄せつけず、排他と孤高に徹する“断絶の強さ”

両者の哲学が交差することで、ただのバトルではなく、
「強さとは何か」を掘り下げる構造になっているのが第4巻の肝に思えた。

まとめ

第4巻は、シリーズでも屈指の心理戦・読み合いが光る巻。
小次郎の成長、ポセイドンの暴威、その交錯が最高の緊張感を生む。


折られた物干し竿が光り二刀流に——ワンチャン神に届くかも・・・

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