終末のワルキューレ13巻ネタバレ考察|釈迦VS波旬決着と零福の最期

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零福が変異し、第六天魔王波旬を名乗る謎の展開になった第12巻。13巻では何者なのかがしっかり明らかになる。

釈迦VS波旬の死闘は、単なるパワー勝負を超え、“感情”と“過去”がぶつかり合う濃密なバトルへと昇華していく。
零福の消滅、ベルゼブブの暗躍、そして「オレ」から「オレたち」へと変わる釈迦の境地。
シリーズ屈指の感情密度を誇る決着巻と言っていい一冊だ。

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13巻の収録話と内容紹介

13巻は50話~53話を収録。

第50話

釈迦VS零福は、**波旬(はじゅん)**との戦いへと突入。
波旬は自身の正体すら「分からぬ」と語る謎の存在で、ブリュンヒルデやヘルメスですら詳細を知らない異質な存在だった。
そこへ冥界の王・ハデスが現れ、**波旬は冥界に伝わる“伝説の狂戦士”**だと明かされる。

釈迦の未来視は、光なき魂を持つ波旬には通じず、怒涛の攻撃の末に釈迦は左目を奪われてしまう。

第51話

冒頭は謎の独白をつぶやくベルゼブブの描写からスタート。
戦いに戻ると、視界を失った釈迦を執拗に攻める波旬。
ハデスの語りにより、かつて波旬は単独で冥界を半壊させ、突如消滅した怪物だったことが判明する。

さらに衝撃の真相が語られる。
かつて消滅した波旬の残穢(ざんえ)をベルゼブブが培養し、零福の中に“種”として植え付けていた――つまり、零福が波旬誕生の器だったという事実だ。

零福を「喰らった」と言い放つ波旬に、釈迦は禁じていた“憎悪”の感情を呼び覚ます。
六道棍は暗黒の鎌のような形へと変化し、ついに波旬へ反撃を開始する。

第52話

致命傷を負ってなお立ち上がる釈迦に、波旬は次第に恐怖を覚え始める。
かつて冥界を半壊させた際、自らの力に身体が耐えきれず消滅した過去も明かされる。

謎の選択として、波旬は自らの左腕を引きちぎり、六道棍を粉砕。
釈迦は吹き飛ばされ意識を失うが、目覚めたその手にあったのは零福の武器・**斧爻(ふこう)**だった。

釈迦は「一蓮托生」により新たな神器、
**大円寂刀・零(だいえんじゃくとう・ゼロ)**を生み出す。

第53話

満身創痍の釈迦に対し、観戦する神々は劣勢を予想するが、戦況は次第に逆転。
恐怖を抱いたことで、波旬の魂に揺らぎが生じ、釈迦の未来視が再び機能し始める。

そして最後の一撃――
これまで「オレはオレ」と生きてきた釈迦が、
**「これがオレたちの道だ」**と心から想いを重ねて放った斬撃が、ついに波旬を打ち倒す。

戦いの後、零福と七福神たちは笑顔で天へと昇り、第13巻は静かな余韻と共に幕を閉じる。

登場人物の動き・印象

釈迦

未来視が通じない絶望、憎悪という禁断の感情、そして零福との一蓮托生。
「孤高の存在」から「誰かと共に進む存在」へと、精神的に最も大きな変化を見せた巻だった。

零福(七福神)

戦うことすらできないまま波旬に喰われたが、最期は釈迦の神器となり、救済される存在として描かれた。

波旬

完全無欠の怪物として登場するも、次第に“恐怖”を知っていく存在。
恐怖を抱いた瞬間から、人ならざる存在にも限界があることが浮き彫りになる。

ベルゼブブ

波旬誕生の裏で暗躍していた黒幕的存在として、存在感が一気に強まる。
神側の出場者としても登録されている。

13巻の見どころ・印象に残った展開

単調になりがちな一対一のバトルに、過去・因縁・感情の爆弾を次々と投下してくるのが13巻最大の魅力。
単なる勝敗以上に、「何を背負って戦うのか」が強烈に描かれた巻だった。

釈迦が“憎悪”を解放する瞬間

かつて捨てたはずの感情が零福の死により呼び起こされ、神器の形すら変えてしまう描写は圧巻。
聖性と禍々しさが同居する、釈迦というキャラの多面性が最も濃く表れた場面だった。

波旬誕生の真相とベルゼブブの闇

冥界の残穢、培養、零福への“植え付け”――
実験的で冷酷なベルゼブブの思想が、物語全体に不気味な影を落とす。

ベルゼブブも神側の闘士であることは1巻の段階で判明しており、今後人類側の誰と闘うのか気になるところ。

「オレたちの道だ」という決め台詞

「オレはオレ」という姿勢を終始貫いてきた釈迦が、零福と共に歩む道を選んだ瞬間。
この精神的転換こそが、波旬撃破最大の決め手になったのが胸に刺さる。

13巻全体のテーマ・考察

  • 「与えられる人生なんてまっぴらだ」という考えの釈迦。
  • 「与えることこそ幸福だ」と考えていた零福。
  • 完全無欠の波旬。

釈迦と零福、お互い足りないものを補って波旬に勝利した印象。
“誰かと心を重ねることこそが本当の力になる”というメッセージのように思えます。

最後に零福たちが笑顔で天に昇るラストは、釈迦と零福の長い因縁が救済という形で昇華された、非常に美しい締めだった。

まとめ

釈迦VS波旬の決着は、単なる勝敗以上に“感情の物語”として深く刻まれる一戦だった。
零福との因縁が消え、釈迦は新たな境地へと進んでいくのだろう。

一方で、ベルゼブブという新たな闇の存在が浮き彫りになり、物語はさらに不穏な方向へ――。
大きな区切りでありながら、次章への不安も強く残す第13巻。
次はベルゼブブ登場か、それとも別の神なのか・・・

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